083 安心 ページ35
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ジス side
正直、自分でも胸騒ぎの正体はとっくのとうに分かっていた。
優しい彼女のことだから、きっと俺を傷つけないように
そう思って 初めての ｢好き｣ という言葉をくれたのだと思う。
都合のいいように気付かないフリを続けることで隣にいられたから
幸せなのは間違いないけれど
それと同時に、俺の欲しい言葉をくれるAに
無理をさせているのは自分だと気付かされる瞬間が怖かった。
それでも優しい彼女は、そんなこと微塵も感じさせないように努力してくれていた。
物分りがいいなんて、今は全く褒め言葉じゃない。
もっと鈍感でいられたら……それは俺のわがままだけど。
どれだけ俺を慕うように接してくれていても、
ジョンハン、と口にするAは
付き合う前と変わらない表情をしていた。
(……これ以上優しくされると、耐えられない)
そんな時にイルミネーションの中で偶然。
あのふたりの姿を捉えたA。
あからさまに傷ついた様子のAに、
言葉は悪いかもしれないけれど、安心した。
……素直なAがまだ、俺の前にいてくれてよかった。
伝えるならきっと、今この瞬間しかないだろう、
｢ごめんA、話があるんだ｣
…
｢まず、俺からのクリスマスプレゼント受け取って｣
｢…………ありがとう｣
｢ちなみにその中にはAに似合いそうな
靴が入ってるから、後で開けて履いてみて｣
これから俺が話すことを、彼女はきっと分かっている。
でも俺は怒っている訳じゃないからそんな悲しい顔しないでほしい。
｢外国で恋人に靴を送る意味は、
”靴を履いて、私から離れてほしい”って意味なの知ってる？｣
｢えっ………………｣
驚いた表情のA、目には薄らと涙が溜まっているよう
だから意地悪はやめることにした。
｢でも俺はそういう意味で贈るんじゃなくて、
俺の隣よりもっとAが幸せになれる場所がある、っていう意味で贈りたいんだ｣
｢そんなことないよ、！私はジスのことが｣
｢大丈夫、全部わかってるから｣
どれだけ見てきたと思ってんの？付き合う前のように
そう言うと、Aは静かに頷いた。
大丈夫、Aならもっと幸せになれるから。
｢俺たち、別れよう｣
俺を幸せにしてくれてありがとう。
次はAが幸せになる番だよ
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malolo(プロフ) - 優さん» あたたかいコメントありがとうございます🔅優さんのお気持ちをモチベーションに書き進めたいと思います！続編を出しますので今後ともよろしくお願いします🙇 (2021年12月24日 18時) (
レス) id: 17a6b72bbe (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 毎日続きを楽しみにしています……！！最高です！ (2021年12月23日 23時) (レス) id: 12d6a4162a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月18日 17時
