052 生憎 ページ4
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朝から新幹線に揺られて遥々着いた東京。
東京では行きたいところの候補が沢山挙がったため
いつもの四人が二手に別れて行動することになった。
生憎、私のパートナーはジョンハン。
一昨日の件からジョンハンとはあまり話せていない。
というか、どう話していいかわからない私。
対していつも通りの彼に、気にして凹んでいるのは
私だけなんだという事実を突きつけられるのだった。
｢昨日迷ったんだって？｣
｢うん、ちょっと色々あってね…｣
｢俺ははぐれても助けに行かないから〜｣
こんなイケメンいないんだからちゃんと付いてこい、とか
言う通常運転の彼に呆れ顔を取ると、頬を摘んでくる。
(絶対迷ったりしないんだから！)
…と、自信満々だったのも束の間。
見渡す限り、具合が悪くなりそうなほどの人。
昨日の京都とは比べ物にならなくて少し日和見する。
一方のジョンハンはキヨウォ〜とご当地キャラに駆け寄ったり、
美味しそうなお店を見つけると前触れもなく走っていく。
そんなジョンハンについていくのに必死になっていた。
｢もう、お店行く時ちゃんと言ってから動いてよ！｣
｢言ってるじゃん、次あの焼き鳥行こーっ｣
｢あ、ちょっと待って、！｣
奇想天外な彼の行動にヘトヘトになって
段々目の前のわがまま王子に腹が立ってくる。
何も気にしない様子で食べる？と聞いてくる彼。
ふいっ、と顔を背けるとそのまま何処かに行こうとしたので慌ててついていく。
｢ジョンハンってば意地悪しないで、！｣
｢じゃあ手繋ぎたいっておねだりして｣
｢っ、｣
……何を言っているんだこの人は。
繋がないなら置いてくけど？と余裕ぶった表情のままフラフラと歩き始める彼。
どうしてこうも、私を困らせる天才なのだろう。
…だけど流石にこの人混み、昨日のこと思い出すと怖い。
｢待ってジョンハン、
……こっちきて、手繋いでほしいな？｣
勇気を出して言うと、ん、合格と手を握ってくれるジョンハン。
そのイタズラな笑みにぎゅん、と胸が疼く。
溢れてしまいそうな感情を無理矢理押し込めた。
なぜ彼ばかり、私の心を染められるのだ。
私の気持ちなんて1ミリも届かないというのに。
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malolo(プロフ) - 優さん» あたたかいコメントありがとうございます🔅優さんのお気持ちをモチベーションに書き進めたいと思います！続編を出しますので今後ともよろしくお願いします🙇 (2021年12月24日 18時) (
レス) id: 17a6b72bbe (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 毎日続きを楽しみにしています……！！最高です！ (2021年12月23日 23時) (レス) id: 12d6a4162a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月18日 17時
