008 事件 ページ9
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｢な〜〜にAちゃん、やっぱり誘ってんの？
お昼寝に｣
目の前に出てきた顔を反射的にばっしーーーんと叩いてしまった。
痛たた、とそのままなだれ込んで来たジョンハン。
あろうことかそのまま寝息を立てて眠ってしまった。
どこでも寝れるっていう伝説は本当のようだ。
(じゃなくてこの状況。誰かに見られたら絶対誤解される！)
重たいし、どうにか脱出を試みるも
本人は抱き枕だと思っているのか、
離れようとする度にぎゅっと抱きしめてくる。
見た目は白くて儚いのにしっかりとした筋肉がついている腕が私をしっかりと固定している。
……起きるまで脱出は不可能みたいだ。
ジョンハンが起きるまで天井と睨めっこしたり、
長い睫毛をくすぐってみたり、頬っぺをつついたりしていると
次第に私の意識も遠のいていった……
…
｢ジョンハンのばかばかばか！変態！｣
｢ごめんごめん、寝不足でさ。帰ってきたら眠たくなっちゃったの！｣
きっと私は顔どころか全身が真っ赤になっているが、
怒っているわけじゃない。
とても恥ずかしい事件が起こったからである。
帰りが遅いと言っていたジョンハンのお母さんが、
早く帰ってきて部屋に来たら私たちが寝ていたものだから
てっきり彼女かと思われて｢お幸せに｣なんて言われたからだ。
(まず寝ていたところを見られたなんて、お嫁に行けない……)
勿論、ジョンハンのお母さんには必死に弁解した。
するとAちゃんって面白いのね、また来てねと笑って言ってくれた。
｢最近A俺に怒ってばかりじゃない？ひどい〜｣
｢調子狂うようなことしてくるジョンハンが悪いんでしょ？｣
｢へえ俺のせいで調子狂ってるんだ〜、そういうとこ可愛い｣
｢お、もってもないくせに！お世辞はケッコー｣
ニヤけそうになる口元を隠して怒ったフリを続けていると、
その顔面白いとかいって写真撮ってくるもんだからうっとおしい。
結局資料はもらったものの、勉強は教えて貰えずじまいで今日はお開きとなった。
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月16日 13時
