007 逃げ場がない ページ8
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「裏切り者……」
あれだけオンマの飯楽しみだ、なんて言っていたくせに。
ジスは急用、スンチョルは強制的に講習を受けさせられて
結局ひとりでジョンハンの家に来ることになってしまった。
仕方ないんだけどさ。
今日に限って家族全員帰りが遅いらしく、
お母さんも帰ってくるのが8時頃になるらしい。
はいここ、と開けられたドア。
ふわっと香るいつものジョンハンの匂いにどきどきする。
(いつもジョンハンが暮らしている場所……)
お邪魔します、と蚊の鳴くような声が出てしまうと、ジョンハンがぶっと吹き出す。
「いやーん!ヘンなこと考えてるでしょAのえっち〜」
「っばか!そんなわけないでしょーが!!」
意地悪されても逃げ場がない。だってここは彼の城。
罠に引っかかったネズミを見るような目で
ジョンハンは愉快に肩を揺らしている。
2階に案内され、たどり着いたのはやはりジョンハンの部屋。
どうぞ、なんて言って開かれたお部屋はあまりにも綺麗でいい匂いで、しっかり抱き枕もベッドに横たわっていた。
「なに?入んないの?」
「あ!いや!入るけど!」
「何緊張してんのさ資料見たいんでしょ?」
腰をえいっと軽く蹴られるとバランスを崩して
勢いよくベッドにダイブしてしまった。
(これは、まずい…………)
ジョンハンの優しくて心地いい匂いが広がって、ドキッとする。
今すぐにでも起き上がろうと体勢を変えて振り向いた時……
「な〜にAちゃん、やっぱり誘ってんの?」
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作者名:malolo | 作成日時:2021年12月16日 13時