043 不機嫌 ページ44
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翌日、皆にお揃いで買ったストラップを渡す。
勿論……チェヨンさんの分も。
チェヨンさんは思ったよりも目を輝かせて喜んでくれた。
スンチョルも筆箱と鞄、どっちに付けようか真剣に悩んでくれるほど気に入ってくれたみたいだ。
ただ一人、明らかに様子のおかしい男がいるのだけれど。
「ずるいー!俺も行きたかったー!」
「仕方ないでしょ〜昨日妹ちゃんとお買い物だったんだからどっちにしろ行けなかったじゃん」
「そういう問題じゃない!」
頬を膨らませてそっぽを向き始めるジョンハン。
じゃあストラップは要らないのね、と鞄に仕舞おうとするとこれは貰うし!と素早く私の手から奪い取った。
しばらく握ったりつついたりして遊んだ後に
ちゃっかり鞄に付けているもんだから、憎めない。
「まあいいじゃん、今月は修学旅行もあるし」
「ついに日本か〜〜〜!ずっと行きたかったんだよ!」
「一蘭食いに行かなきゃなア」
…時の流れは早いもので、あっという間修学旅行シーズン。
学生の一大イベント、今年の舞台は日本。
東京、大阪、京都を回る4泊5日の旅行。
初めての海外は、比較的良心的な国で安心だ。
着実に準備は進められていて、
自主研修班はいつも通りの四人で行動することになっている。
「Aは行きたい場所ないの?」
「行きたいところか…………」
皆の意見を聞いて満足していたら特に考えていなかった。
……日本って何があるんだろう。
スマホを取り出して検索しようとすると
「え”っ……お前らカップルみたいじゃん」
スンチョルに待ち受け画面を覗き込まれて
拗ねていたジョンハンも”カップル”という単語に反応して
私のスマホを覗いてくる。
「カップルなわけないじゃん、可愛く撮れてるでしょ?」
元の画像を開いてみせると
更に不機嫌になってトイレに行くジョンハン。
(最近のジョンハン、本当意味わかんない……)
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作者名:malolo | 作成日時:2021年12月16日 13時