041 意外に ページ42
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待ち侘びた土曜日。
駅で手を振るジスに駆け寄る。
今日はついに例のテーマパークに行くのだ。
電車に乗った時点で既にソワソワしていた私を見て
ジスは可笑しなものを見るようにケラケラ笑う。
テーマパークに着いたらまず何をしようか。
すぐにアトラクションに乗るのもいいし…
そうだ、カチューシャも買わなければ。
ジスは何が似合うかな、くまのキャラクターのかな。
それよりうさぎのキャラクターの方が似合いそうだ。
想像するだけで楽しい。
…
「うわぁ……全部かわいいからどれにしようか迷っちゃう」
「この目玉のとかは?」
「私が着けたら妖怪みたいになっちゃうから…」
なんでも似合うよ、と言って笑う彼には
私がゴリ押ししたうさぎのカチューシャを着けてもらった。
意外にノリ気ですごい可愛い。
……結局迷った挙句、ジスと色違いのうさぎのカチューシャに決めた。
じゃんけんで負けた方が語尾にぴょんを付けて話すとか
数メートルうさぎ跳びで進むとか馬鹿なゲームをして
アトラクションに乗る前から既に楽しい。
こんなにも箍を外してはしゃぐジスは珍しい。
写真に残さなくては。
「ねえジス写真撮ってもいーい?」
「ん〜一緒に撮るならいいよ」
仕方ないからセルフィー用のカメラを起動して構える。
腕の短い私の角度じゃ、上手く収まりきらなくてぐっと顔を近付ける。
…やっとの思いでボタンを押すと映し出される2匹のうさぎ。2人とも目尻にシワを寄せるくらい笑っていい写真だ。
(久しぶりに、こんなに笑ったかも)
「これ待ち受け画面にしていい?」
「うん、俺もそうする」
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作者名:malolo | 作成日時:2021年12月16日 13時