恋に先生はいない (ページ36)

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ジョンハンがお見舞いに来てくれてから、彼は元に戻った。
一体何が原因だったのかわからないけれど結果オーライだ。

ジョンハンがお見舞いに来てくれた次の日も
三人揃って家まで来てくれた。
おかげさまで体調はバッチリ回復した。

そして今日の放課後は四人で映画を見に行く予定、だったのに。

スンチョルはバイトの代理出勤、ジョンハンは急用で行けなくなってしまった。今日はジスと私の二人で行くことになった。

｢ジスとふたりでどこか行くなんてお祭りぶりだね、映画楽しみ〜！｣

｢そうだね……っ危ない、！｣

はしゃぎすぎて前を向かずに歩いていると角から
曲がってきた自転車とぶつかりそうになる。

咄嗟にジスが引き寄せてくれたお陰で助かった。

お礼を言おうとするが、思っていたよりも
至近距離にジスの綺麗なお顔があって思わず目を逸らすと

視線を追うようにジスがいたずらに目を合わせてくる。

｢なあにジス、そんなに見られると恥ずかしいよ｣

｢恥ずかしいんだ？今日メイクいつもと違うね可愛い｣

ジスはいつも私の変化に気付いてくれる。
いつものメイクよりいいのか聞くと、

どっちも好き、Aだから全部可愛い。

なんてベタ褒めしてくれるもんだから、どんな顔をしたらいいかわからない。

…

『あなた、愛しているわ……』

『僕もだよ、さあここにおいで』

今回は恋愛ものの映画だ。

でもベッドシーンがあるなんて聞いていない。
男女が月明かりに照らされて愛し合うシーン。

一応私たち指定年齢は超えているけれど、
こんなのどう見ればいいかわからなくて顔を手で覆う。

そうしたら音声が鮮明に聞こえてきて逆に生々しい。

でも手はふたつしかないし……とひとりで
あたふたしていると隣で吹き出す声が聞こえる。

｢ちょっとなに面白いことしてんの｣

｢だってだって…！見ていいものなのかわかんなくて！｣

そう言うと何故かジスのツボに入ったみたいで
声をころ/すようにして笑っていた。

(なんでジスは余裕なんだろう……)

やっぱりもう高校生となるとそういったモノに耐性が
つくものなのだろうか。もしかしたら遅れているのかも……
と正直焦りを感じた。

ジスはそんな私の気を紛らわすように、
ベッドシーンが続く中小声で人間ゼロゲームを一緒にしてくれた。

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