025 溺れる ページ26
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ジスと約束していた温水プールへ向かう。
中は広くてウォータースライダーやちょっとしたアトラクションがあると聞いていた。
少し早めに着いて重たいドアを開けると、
そこには既にジスの姿があった。
｢ごめん！もしかして遅れちゃったかな｣
｢ううん、俺が早く着いちゃっただけ｣
お手柔らかによろしくお願いします、と頭を下げると
ジスは明らかに目を逸らして いいから入って、と言う。
(なんかあったのかな……)
久しぶりに入ったプールはお風呂とはちょっと違って
しかも少し深いからやっぱり怖かった。
つま先でちょこちょこ歩いていると、
捕まるところが無くなって慌ててジスに助けを求めた。
ジスは私の両手を取ってまずは水に慣れるところから始めてくれている。
｢うわ〜〜ん、ジスありがとう。溺れるところだったよ｣
｢危ないし、そんな格好であんまり可愛いことしないで｣
｢え？｣
｢水着、凄い似合ってる｣
ごめん変態みたいだ、と後ろを向いて
恥ずかしがるジスにこちらまで恥ずかしさが移ってくる。
ジスは一緒にいると落ち着くけど
最近はなんだか落ち着かない。……嫌なんかじゃないけど。
その後もジスは丁寧に私のペースに合わせて泳ぎ方を教えてくれた。
おかげで少し浮けるようになった。
ウォーターアトラクションにも幾つか乗ってしばらく遊んでいると
｢な〜〜〜〜にいちゃいちゃしてんのー？！｣
｢俺らも混ぜろ〜〜〜！｣
ザッッブーーーンと勢いよく目の前にダイブしてきた二人。
跳ね返った水が私の顔に直撃してそのまま後ろに足を滑らせてしまう。
(あ、やばいかも)
ぐぷぷっと身体が沈む感覚に陥り溺れる、と思った瞬間。
物凄い大きな力で、でも優しい腕に守られた。
｢ごめん、大丈夫？｣
それは、見た目以上にたくましい…ジョンハンの腕だった。
驚いたまま目を開けた先にいる、まさに水も滴るいい男。
綺麗すぎて見つめてしまっていると、
ジョンハンは私の耳元で
｢その水着似合ってる、可愛い｣
……そんなこと言うもんだからまた溺れるじゃんか。
まだ好きだと思っちゃうじゃんか。
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月16日 13時
