024 癒える ページ25
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三人が海で泳いでる中、私はひとり浜辺に座り込み、
パラソルの下で砂のお城を作っていた。
一応水着は着ていたけれど泳がないのに張り切って、と思われても嫌なので白いデカTシャツで隠している。
山のようなお城じゃなくてエリザベス宮殿のような
お城を作ることに夢中になっていると、
突然頬に冷たい何かが当たる。
「っつめたっ!」
「はい、これ。熱中症になるよ」
「ありがとう」
さっきまで海の方で泳いでいたジスが、
私の心配をしてこっちに様子を見に来てくれたらしい。
透明のカップに入った黄色いしゅわしゅわを頂く。
これはパインサイダーらしい。
ジスは青いサイダーを口にして顔を一瞬顰める。
「それ美味しい?何味?」
「ブルーハワイだって、飲む?」
ジスはいつも私が美味しい?と聞くと一口いる?と聞いてくれる。
きっとアメリカで育っているから関節キスなんてものあまり気にしないんだろう。
だから私もジスの前では気にしないようにしている。
一口もらうと爽やかな甘みが広がって
続けてちゅーっと飲んでしまった。
そんな私を見てジスが吹き出し、パインサイダーと交換してくれた。
「Aはやっぱり泳がないんだ」
「うん、日差し強いし海怖いし泳げないもん。
でも後で温水プールは行こうと思ってるよ」
「じゃあ後で一緒に行こっか、泳ぐの俺が教えてあげるよ」
「いいの?!ジスだったら真面目に教えてくれるから嬉しい!」
じゃあまた後でね、とジスは二人の元へ戻って行った。
楽しそうな三人を眺めると心地がいい。
少しずつ失恋の傷が癒えて、また良好な関係を続けられている。
それでもまだジョンハンのことは気にして目で追ってしまうけれど、
いつかはきっと無くなるさ大丈夫。
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作者名:malolo | 作成日時:2021年12月16日 13時