018 落ち着く ページ19
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｢スンチョル〜〜ファイティ〜〜ン！｣
スンチョルのクラスのコンセプトは生き物博物館だそうだ。
彼はヘラクレスオオカブト役のようで、
悲鳴を上げながらもしっかりと木にへばりついていた。
それにしてもこのクラスは何が目的なんだろう……
入場料は無料だそうだ。
勤務内容と報酬が見合ってない……
私とジスはスンチョルの写真をいいだけ撮って、
その場をあとにした。
私が行ってみたいと言っていた1年生のASMRカフェにも
行ってウォヌくんにTASTYと言わせたし、
オンマ食堂でお昼ご飯も一緒にした。
その後、ジスの提案で3年のお化け屋敷に入ることになる。
お化け屋敷、と聞いただけで私の顔が歪むのを
見ていたくせにジスは反応を楽しんで行こう行こうと促してきた。
長い行列を3分の2を進んでしまえばもう後は入るしかない。
私はジスを盾にして暗闇を進む。
｢ねえジスどこにいるの？見えないよう｣
｢前にいるから本当に怖がりなんだね｣
｢だからやめておこうってぎゃぁぁぁあぁあ、！｣
上から冷たいふにゃふにゃが降ってきて
思わず大きな声を上げるとジスがお腹を抱えて笑っている。
(意地悪だ、悪ジスめ、覚えてろ！)
懐中電灯を付けても真っ暗なトンネル。
先に行くにつれてどんどん狭くなっている。
前も後ろもどっちも嫌で二人で並行移動するという
究極の選択をした私は、少し後悔している。
(ごめんね……ジス。狭いよね)
ジスが私が頭をぶつけないようにと私を抱きしめて
一緒に進んでくれている。
私は彼の胸の中にすっぽりと収まった。
(ジスといるとやっぱり落ち着く…………)
この間ジスの前で泣きじゃくってしまったときも、
こうして抱きしめてくれた。
背中をさすってポンポンとあやすように慰めてくれる。
ジスのこういうところが、本当に素敵だと思う。
色々考えて進んでいるうちに明かりが見え、
ゴールすることができた。
ジスのおかげで泣かずに済んだと話すと、
今度はもっと怖いところに行こうねとか
言うからもみ上げを引っ張っておいた。
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作者名：malolo | 作成日時：2021年12月16日 13時
