恋に先生はいない

017 主役 ページ18

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開店の5分前になっても現れないジスを
不安に思いながらもキョロキョロと見渡していると、

一際大きな歓声がフロアに響いた。

声のする方を見てみると……



そこにはレッドベルベットのスーツを身に纏い、

髪もセンターパートに分けた普段とは別の雰囲気のジスがいた。


思わず息を呑む。
今日の主役は誰がなんと言おうと間違いなく、ジスだ。



｢ごめん遅くなって、A……凄い可愛い｣

｢えあ、ありがとう！ジスもすっごく似合ってて素敵！｣



素敵な大人な男性に褒められた気がしてドキッとする。

ジスの丁寧な一つ一つの仕草が役柄と相まって一つの作品を作り出しているみたいだ……？



…



午前の部はジスのおかげで校内1位の売上を誇った。


ジスは接客の合間を見計らって私の様子を見に来てくれた。

私はというと、おかえりなさいませご主人様なんて
言えるはずもなくて萌え萌えきゅ〜〜〜んなんて
以ての外で凹んでいた。


俺の前で練習しなよ、なんて言ってからかってくるもんだから
口にケチャップソースを沢山いれてやったのだ。


そんなこんなで午前の部が終了した。


午後の部ではジョンハンがホストとして出るみたいだ。

休憩中だというのにもう教室の前に人だかりが出来ていた。


ジョンハン目当てに並ぶ女の子たち。
そしてメイド服をまとったソヨン。悔しいけど可愛い。


午後の部じゃなくてよかった、と心底思う。
色んな女の子を相手してるジョンハンなんて見たいものじゃない。



早く着替えてジスのところにいかなければ、

スンチョルも木に止まったクワガタの格好をして頑張ると言っていたのだから、早く見に行こう。





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