011 在り来り ページ12
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実の所、私には女の子の友達がほとんどいない。
話しかけてくれる子はいるけれど、
本当に友達と呼べる女の子はこの学校にはいない。
いつもの三人と絡んでいることがひとつの理由だったりもする。
Aは男好き、とかなんならもう男なんじゃ、とか
彼らを好んでいる人に妬みなどの感情を向けられている
ことも知っているが、
それでも私はこの人たちと一緒に笑っていたいのだ。
過去に何度も嫌がらせは受けているけれど、
こればかりは仕方ないと割り切るしかなかった。
「Aちゃんさあ、ジョンハンくんたちの一体なんなの?」
先程のソヨンとその取り巻きのようなものに、
帰り道突然捕まって何回も聞き覚えのある言葉を投げかけられる。
「なんなのって、友達かな」
「友達ね〜〜正直あんた邪魔なの、
友達とか言うくせにジョンハンくんたちに色目使ってんでしょ?」
……ジョンハンに対するこの思いは
色目を使っているってことになるのだろうか。
「まあいいわ、今は好きにしちゃって。
どうせジョンハンくんはフィナーレで私と踊るの。
下手な真似したらタダじゃ済まさないから」
ソヨンはバッグからカッターナイフを取り出すと
私の首に突きつけた。
少し皮膚に当たって痛痒い感覚が走る。
満足気に去っていく集団。
辺りを見渡して誰もいないことにほっと胸を撫で下ろす。
あの三人に見られてたらどうなっていたことか。
また迷惑かけるわけにはいかない。
今回こそは私ひとりでも大丈夫。
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作者名:malolo | 作成日時:2021年12月16日 13時