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2人が一緒にいるときに冷静になれない自分が嫌だ。
不安で不安で仕方ない。
「 いたぁぁぁあっ 」
後ろから思いっきり抱き締められる。その声で、一気に不安が去っていく。
「 ……ヒョン、 」
俯きながら、ぽた、ぽた、と前髪から落ちる水滴も気にせずに、静止してしまった。
「 ごめん 」
「 ……なんで、謝るの 」
「 隙のないようにする！インソンヒョンともあんまり居ないようにするから… 」
それは、違うんじゃないか。
俺の勝手な感情で彼の行動を制限して、縛るのは絶対に違う。
振り向かずにタオルで拭きながら、話す。
「 ……気にしないで。ヒョンはヒョンのままでいい 」
抱き着いていた腕が離れ、少しの静寂が流れる。
「 なんで？テヤンが我慢することないだろ 」
「 …でもヒョンがインソンヒョンのこと大好きなのも知ってるし、俺が縛って、ヒョンに愛想つかされる方が嫌だ 」
そう言ったら、腕を思いっきり引っ張られる。
驚いて、彼の方を向くと、怒ったような表情で睨まれる。
「 縛ればいいじゃん、少しくらい。なんでもかんでも許したら本当に愛してくれてるか分からない 」
「 …でもどうせヒョンは、インソンヒョンといる方が楽しいんでしょ。俺の事なんてそのうちどうでもよくなるんだよ 」
その言葉を言い終わると同時に頬を打たれた。
ﾊﾟﾁﾝｯ
涙目のヒョンが、瞳に映る。
「 ………勝手に決めないで 」
「 …… 」
「 ……今の考えのまま話し合っても無駄かもね 」
彼はそのまま後ろを振り返って洗面所から出ていった。
でも本当のことでしょ？
俺なんかより、絶対インソンヒョンの方がいいかもって思ってる。笑う回数も多いし、幸せそうにするくせに。
そう言うのを見てるのがどれだけ辛いか、ヒョンには分からない。でも、ヒョンがインソンヒョンの方がいいって言うなら、俺は身を引くしかない。
怖いんだ、すごく。
いつそれを言われるか、ずっと考えちゃうから。
好きだからこそ、ヒョンがどうしたら幸せなのか、何が1番ヒョンにとって良くなるのか、ずっとずっと考えてる。
ヒョンは何を考えてるの？
＿＿＿＿ねえ、俺の事、1mmでも考えてる？
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頬を擦りながら洗面所から出てきた。なんでこんな感情的になってしまうんだろう。
好きだからこそ、テヤンが苦しむのは嫌だ。
僕の行動がテヤンを苦しめるなら、どういうところがダメなのか、はっきり話し合いたい。
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作者名：凪緩 | 作成日時：2022年8月21日 8時
