27 ページ37
.
1度離して、またすぐにキスをする。
でも次は、息もできないくらい激しく。
そうすると彼も吃驚したのか、空いている方の手で俺の服を引っ張った。
腕を掴んでいた手をスーッと上にあげて、指と指を絡める。
「 〜ｯふ、……ぅん……、ｯぅ、……ん、 」
「 ……ｯは、」
唇を離すと、つーっと銀色の糸が繋がれる。彼は苦しそうに肩で息をしながら、涙目で睨んでくる。
「 …ぽっぽは、……ｯちゅで、いいんだよ、！ 」
「 分かってるけど、して欲しそうだったから 」
「 〜〜っそんな変態なこと朝から考えてません！！！ 」
顔を両手で覆い隠し、はぁああー……とバカでかいため息を吐く。
え、そんなに？？
「 思い出して練習できなくなっちゃうね 」
「 できますぅ！！！！ 」
「 目覚めて良かったじゃん 」
むー、と否めない顔をする彼が愛おしくて、ぽんぽんと頭を撫でる。
本当にこの人は、2歳も年上なんだろうか。
.
.
「 やっぱり番になった方が楽なのかなあ 」
「 おまっ、……2人きりだからって油断してるだろ？ 」
「 ……インソンヒョンにしかこういう話できないもーん！ 」
「 もー可愛いな。ヒョンになんでも話しな〜 」
頭をなでなでされて、ふふーんと思わず顔が緩む。
「 番になったら番になった人にだけフェロモンがいくんでしょ？それなら薬も飲まなくていいし、副作用でしんどくなる心配もなし！最高じゃん！ 」
その言葉にインソンヒョンは真剣な表情になった。
「 でも、一生ものだからな。自分とその人が死ぬまで、番を解消することは出来ないんだから 」
「 ……そう思ったら、僕の両親はすごいのかもしれない 」
「 一生愛する運命の人を見つけられたんだもんな 」
「 ……一生、か 」
一生、という言葉がすごく重くのしかかる。
「 それに、αは1人のΩと番になったとしても、別のΩのフェロモンにも反応してしまうからな。本能的なものだから……浮気っていうと違うんだろうけど、こっちからしたら裏切られた気分ではあるよな 」
「 ……もう僕らだけの世界でいいのにね 」
なんとなく、何も考えずにそう呟いた。
ひゅーっと風が吹いて、髪の毛が揺れる。遠くの景色を見ながら、彼ははっきりと口にした。
「 俺らだけだったら、ダウォナの瞳に映るのは俺だったかな 」
危ない。
彼の横顔が綺麗で、儚くて、まるで絵みたいで、見蕩れてしまった。
そんなに、好きなんだ。僕が。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凪緩 | 作成日時：2022年8月21日 8時
