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口元に手を当てて誤魔化す彼の前髪をサラリとかきあげて、ちゃんと目が見えるようにする。
「 ちゃんと目を見て言って 」
「 〜ｯ好き、なの、テヤンが…… 」
「 ふふ、俺もずっと前から好きだった 」
おでこに優しくキスを落として、それからもう一度、確かめるように唇にもキスをした。
「 ……ずっと前っていつなの？ 」
「 うーん……気が付いたら目で追ってて 」
「 僕のことめっちゃ好きじゃん……」
「 好きだよ。ずっと俺に惚れさせたいって思ってた 」
そう言うと俯きながらそうですかっと呟く。耳まで真っ赤なのバレてるから。
「 ………ヒョンはどこで好きって分かったの？ 」
「 えー、テヤンにインソンヒョンのこと誤解されたくないなあって思ったら、なんでされたくないんだろ、あ、好きだからか！みたいな 」
「 だから引き止めたんだね 」
「 ここで言わなかったら、後で何言っても無駄だろーな、テヤン頑固だしと思って 」
「 頑固なのはヒョンの方でしょ？いつも勝手に空想で話すし 」
「 空想じゃないです事実しか言いません！！！ 」
ふはっ、と笑ってしまう。もう既に認めてないじゃん。そんなところも愛おしく感じてしまうのは流石にダメだろうか。
「 ……
「 …何ぃ 」
「 好き 」
「 分かったって 」
「 目移りしたらダメだよ 」
「 重い彼氏は冷められますよーだ 」
「 ヒョンみたいな人がメンヘラ製造機って言うんだよ 」
「 めっ……僕が？！ 」
「 周りにいつも人がいて、すーぐどっか行っちゃうし、パートナーがいなくても楽しそうな人 」
そう言うと図星だったのか、押し黙った。
「 でも、俺はそういうヒョンが好きだから……ちゃんと取り戻せればいいかなって思ってる 」
「 ……確かに僕、ちゃんと首輪つけとかないと逃げちゃうかもね 」
首を触りながら、妖艶な目でこっちを見てくる彼は、本当に心臓に悪い。いつも可愛い赤ちゃんのくせに、たまに雄を出してくるから。
「 ……大丈夫、ちゃんと牽制するから 」
「 テヤン怒らせたら1番怖いもんな 」
「 えそんなことないって 」
「 静かなやつが怒ると超吃驚する 」
あー怖い怖い、と両腕を擦りながらニヤニヤした顔でこっちを見てくる。いつも笑ってふざけてるヒョンが怒っても怖いと思うんだけど。
「 今日は隣で寝てもいい？ 」
「 狭いけどいいの？ 」
「 うん、なんか、ヒョンを独り占めしたい…… 」
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作者名：凪緩 | 作成日時：2022年8月21日 8時
