入れ替わり、変わる人生【影山飛雄】

第41話 ページ7

*




チュン、チュンチュン



俺は何故か雀の鳴き声で目を覚ました



昨日は…泣きながら寝た


悔しかった、何もできなかった自分が



寝ぼけ眼でふあああとデカい欠伸をして、頭に手を当てる



ふと不思議な感覚になった



髪が、長え？



その瞬間俺は、目を見開く光景を目の当たりにする




ピンクが基調の部屋



あたりに散らばるゲーム機


使い古されたスマホ



膨らみのある胸



白く、細い腕



「ももか、さん…？」



俺は、またポロポロと涙をこぼした


最近俺泣いてばっかだなぁ…



そんな感傷に浸っていると

一つ思い立ったことがあった



俺は壊れる勢いでスマホを引っ掴み


日にちを確認した




2011年12月19日




あの日、だった



今日のかえりみち



ももかさんは殺される



俺が阻止してやればいい



ニヤッと口角を釣り上げた




作戦は、ある




ももかさんを、





男子バレー部のマネージャーにしてやればいい



＿＿＿＿＿＿＿＿＿




「え…、」



私は、驚愕していた



色々と自分が忘れていたことを思い出した



なんで宮城になんか足を運んだのか


影山、という言葉に何故反応したのか




なんで、忘れていたんだろう



あんなにも異次元な体験だったのに




そして、また私は



影山飛雄と入れ替わっている





私は飛雄くんのスマホを見た



焦ってホームボタンまで押した



指紋認証で開いてしまう



と、アプリが開かれたままだったようだ



検索バーに打たれた文字



稲荷崎市連続通り魔事件



え、なにそれ



なんであんなバカな飛雄くんが


こんな小難しそうなことを調べているんだろう



そう思い、一番最初にヒットしていたWikipediaのページを開く





そこには



またもや私を驚愕させる事実が載っていた

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