縁下と ページ5
｢なんて懐かしいことあったな｣
学校終わりの放課後、縁下とちょうど廊下でばったり会った私は部活に向かう彼と一緒に歩いていた
｢懐かしいつっても最近だべ。まあマジ超びっくりしたけどうまくやれてる｣
｢よかったなほんと｣
そう笑う縁下は優しいやつだ、なんだかんだ厳しいしうるさいとこあるけどこんな私を世話してくれて友達がいない数週間くらいもちょくちょく顔だしたりお弁当を一緒に食べてくれた。
去年仲良かった友達？そりゃ他クラスで楽しそうに話してたしこっち来る気配もなかったから放っておいた。悲しい現実だね
｢縁下は？バレー部楽しい？｣
｢おう、すっげえ後輩入ってきてさ、負けてらんないなって思って頑張ってるよ｣
｢そっかあそれは頑張らないと。でも縁下いっぱい頑張ってるからあんま無理しないでな｣
｢はは、ありがと｣
そう話してるうちに下駄箱に着き、靴を履き替えて外に出る。縁下は部室に向かうらしいのでそこまで着いていくことにした
歩くと見えてきたバレー部の部室、その下で一度立ちどまり
｢じゃあ気をつけて帰れよ｣
｢あざ！そっちも頑張って〜｣
じゃね、と手を振り背を向けた
部活とかいいな
そしていきなり電話が鳴った
画面には"消えろ"と表示された文字
｢しつけぇな元カレキモ｣
元カレの名前は消えろ、と表示してる。人間の扱いをしてない。てかなんで電話番号知ってんだよ
先程ボソッと思わず声に出してしまったが仕方ないって思ってる。てかなんで今かけてくんだよキッモ
あー気持ち悪いな。コンビニでデザート買って帰ろ
そう思い電話を切って着信拒否のボタンを押す
後にこれがきっかけで事件が起こるなんて、今の私には到底気付けるはずもなく
何買おうかな。くらい呑気に思っているそんな放課後
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作者名：さくらねこ丸 | 作成日時：2019年2月15日 19時
