はじまり�� ページ3
｢雪城？｣
｢ごめん川西ちょっと切るわ｣
｢え？おい｣
強制的に切って縁下と向き合う
縁下に帰るのバレるとめんどくさいからなあ
去年同じクラスになってとても仲良くなった縁下は遅刻や早退、欠席に関してとてもうるさい。なのでサボり癖のある私が縁下と出会わなかったら今頃ニートしてたと思う。
そうやってちゃんと面倒見てくれていたおかげで2年生になれたと言っても過言ではない。と言えるくらいには世話になった
｢鞄なんか持ってどこにいくんだ？｣
｢ちょっと購買に…｣
｢嘘だな｣
｢なんで！？縁下マジヤッッバ！！｣
｢はい帰ろうな、教室に｣
川西も縁下もエスパーじゃん。パシッと手首を掴まれて強制的に引き戻される。無理今日は本当に帰りたい
｢まじしんどいんだって。友達できないし話しかけたのに結局離れてなんかわけわかんねーこと小声で言われるしホントまじ勘弁｣
｢だからって帰ろうとすんなよ…｣
｢むり頼む縁下ずっと一緒にいて｣
｢クラス違うだろ｣
イヤイヤ言いながらも戻ってきてしまった教室。いじめられてるわけじゃないのにあの雰囲気に耐えられる気がしなかった。マジで帰りたい
渋々教室にはいって席に座れば、縁下も前の席に座った
｢去年仲良かった子は離れちゃったのか｣
｢そうなの〜、だから新しく友達作ろうと試みたのにビビられた挙句変な噂がポンポンと｣
｢その見た目だしな｣
と話していたらまたもやヒソヒソと声が
｢縁下君カツアゲされてるんじゃ…？｣
｢マジかよ縁下かわいそ〜…｣
そこのおまえらうるせえぞ！カツアゲなんかしたことねえよ！帰ろうとして帰れなかった私の方が可哀想だわクソ！
もうクラス内の友達なんていいや…と諦めて机にお弁当を広げたその時
｢ゆきしろぉおおお！！｣
｢友達はできたのかァ！？｣
もう死にたいと思った。なんでよりによって田中とノヤがこのタイミングで来るんだろうか、ほら何かと思って目立ってんじゃん。しかもその友達できた？の確認やめろ
｢うっせえよおまえらだまれ傷心中だよ乙女は｣
そう小声で訴えるも虚しく、二人は大声で話し続ける
｢おっ雪城！そんな友達のいねえおまえにプレゼントだ！｣
｢傷をえぐるな。ろくなもん渡してきたらどつき回す｣
｢伝説の濃厚とろけるチーズパンだぞ？いらねえのか？｣
｢ノヤっさんに感謝するんだな！｣
｢ノヤ神？！｣
嬉しすぎてつい大声を出してしまい、ハッとした時すでに遅し
ポカンとしているクラスメイト。静まり返る教室
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作者名：さくらねこ丸 | 作成日時：2019年2月15日 19時
