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なんだかんだ短い休憩時間の中でみんなと打ち解けあって(?)
最後まで練習を見ていたけど、素人の私から見てもとても圧倒されるものだった
部活っていいなあと思う瞬間でもあった。
バレー部の担当が武ちゃんなのはビックリだけど、コーチ兼監督が坂ノ下商店の烏養くんなのもめちゃくちゃビックリしたし、逆に向こうも見学に来てる私に驚いてたり。烏養くんとは母経由で結構昔から仲良かったりするのでタメ語で話したりもできる仲だし向こうもそれは許してる。しかし
「おまっ見た目とのギャップに追いつけねえ!」と笑われた時はカチンってきたね。見た目で判断してんなよという意味を込めて叩いといた。
もう部活の時間も終わりに近付き、片付けするぞーと声がかかったので一斉にみんな取り掛かり始める。私一人で座ってるわけにもいかずなにか手伝うことはないかと潔子さんに聞けば「雪城さんは見学だけだからいいの。今日の余韻に浸っておいて」と微笑まれながら断られてしまった。
邪魔をするのも悪いのでここは大人しく座って待とう…と床に座り込んでみんなの様子を見ていたら、
烏養くんが隣にやって来てこういった
「お前、ゴールデンウィーク暇してる?」と
なんだデートの誘いか?いい大人がJKをナンパするなよという視線を送れば「遊びの誘いじゃねえよ」
「ゴールデンウィーク合宿の最終日にさ、音駒高校っつう他校のバレー部と練習試合するんだけどよ、向こうマネ足りてないから手伝ってくんね?」
「いや急すぎんだろ来週じゃないスか」
「いや〜そこをなんとか、おまえよく昔から店の手伝いとか俺んとこのバレー仲間の手伝いもしてくれてんじゃん?」
急な誘いに少し戸惑う、が
こんな見た目の私でも部活はやってみたい気持ちがあった。
「私いまネイルしてるけどいいの?」
「あーそれは…ダメだわ…」
「んーでも、取ってもいいよ」
「え、大丈夫なのか」
「うん」
今回のネイルは失敗だったから。あとは
「みんなのバレーしてる姿、ちゃんと見たいなーつって。特に田中たちとかはさ」
"部活、したことないからせめてそういう手伝いとかしてみたいなーとか思ってたんだよね"
「あー…」
烏養くんは私の"事情"を知っている
暗くなりそうになった雰囲気だったが、ちょうど片付けが終わったため主将さんが集合をかけた。
「ま、とりあえずよろしく頼むな」
ぽんぽんと頭を優しく撫でて去っていった
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作者名:さくらねこ丸 | 作成日時:2019年2月15日 19時