検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,128 hit

4話 ページ4

「それで? 山田がAちゃんだけを忘れてると? んなわけあるのか? 普通記憶喪失って、パーッて全部の記憶がなくなって、自分が誰かも分からなくなるものじゃないの?」





有岡先輩がキャンパス内のベンチに座って、コーヒーをひとくち飲んだ。






確かに、そうなのかも知れないけど……。








「でも、記憶喪失にしては私の事以外は全部しっかり覚えているみたいですし……。本当に、私の事だけみたいなんです。覚えてないの」







私がションボリしていると、有岡先輩は私の背中をトントンと叩いて、「いつか絶対思い出すよ」と言って、帰っていってしまった。









私もすっとベンチからたって、家に帰ろうと足を進めた。









その時、ふと掲示板が目に入った。






そこに書いてあった文字は________。


















「きおく……や?」









________記憶屋。それは、人の記憶を消せる存在。








それは確か、都市伝説で、嘘か本当かわからない存在。






まあ私はそんな非科学的なものは信じない主義なんだけれど。







そのポスターを見て、ふっと鼻で笑い、さあ帰ろうとしたとき。








「君、記憶屋に興味あるの?」



「うわっ!」





いきなり後ろから話しかけられ、軽く飛び跳ねてしまった。







振り返ると、私より少し背の高い男の人がいた。





可愛らしい顔立ちに、思わず目が離せなくなった。










「僕、ミステリー研究部2年の知念侑李。記憶屋について調べてるんだ。君、記憶屋に興味あるんだ?」










知念侑李と名乗る2年生の先輩はこくん、と首を傾げた。






か、可愛い………。







「興味があるっていうか、たまたま目に入ったというか」





私がそう言うと、なんだそうなのか、と言って知念先輩は肩を落としてさって行こうとした。








『あの、誰だか知らないけど、そういうのやめてくれる? 迷惑なんだよね』







ふと、涼介くんが言ったその言葉が頭をよぎった。








「あの!!」





私の声に、知念先輩が振り返る。















「私の……私の彼氏が記憶屋に記憶を消されたかもしれないんです」



世界が、一瞬止まった気がした。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←3話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
設定タグ:山田涼介 , 記憶屋 , 有岡大貴   
作品ジャンル:泣ける話
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いちご(プロフ) - 続きの投稿も楽しみにしてます♪ (2020年2月11日 21時) (レス) id: 6ffe3ba49e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:侑☆彡 | 作者ホームページ:http://yuci.  
作成日時:2020年2月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。