5話 ページ5
朝ご飯を完食すると、Aは嬉しそうにお皿を下げていった。
……可愛いな。
こんな子が本当の彼女だったらなぁ。
そんなとき、聞こえてきた着信音。
……知念だ。
涼介「知念!」
侑李『あ、もしもし、涼介?どう?願いが叶う薬は』
涼介「どう?じゃねーよ!誰だよ!この女」
侑李『あ、やっぱりいちにち彼女にしたんだ』
そっかそっかーと、電話の奥で呑気に頷いているかのような反応をする知念。
……やっぱりって?
涼介「やっぱりいちにち彼女にしたって、どういう事だ?」
侑李『いや、彼女が欲しいって言ってたからさ。あの薬、願いを叶えるのはいいんだけど、1日しか効果がないんだ。だから、いちにちしか効かない彼女で、【いちにちかのじょ】』
てことは、今目の前に見えてる【A】は、1日しか持たない、彼女……?
涼介「じゃあ……今目の前にいるこの女は……」
侑李『存在はするけど、実際は涼介となんの関係もない女の子。その子の役目は、涼介の【いちにちかのじょ】を果たすこと。だから、【いちにちかのじょ】の役目が終わった24時間後、彼女の記憶から山田涼介という人物は消える』
知念の言葉が、胸に突き刺さった。
俺だけが覚えていて、Aは覚えていない。
侑李『だから、くれぐれもその子のことを本当に好きになっちゃダメだよ。好きになっちゃったら』
____どうなるか、わかるよね?
そんなの、痛いほど分かっていた。
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作者名:侑☆彡 | 作者ホームページ:http://yuci.
作成日時:2018年5月29日 16時