桜が散ると、真っ先に夏を一緒に見に行こう。【HSJ】 (ページ20)

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18話ページ20

(大貴side)

今日はいただきハイジャンプのスタジオ撮影。

この場で、裕翔の病気のことを打ち明けるつもりだ。

宏太「今日はみなさんに大切な報告があります」

薮ちゃんのその言葉に続き、山田が口を開く。

涼介「僕達、Hey! Say! JUMPのメンバー、中島裕翔が今、闘病生活をしています。原因は、彼が患った病気のためです」

宏太「脳に腫瘍が発見され、先週手術を行いましたが、全ての腫瘍は摘出出来ませんでした」

伝えるのは、辛い。

ファンのみんながどんな顔をして、この報告を聞いているのか。

それを想像してしまうから。

涼介「みなさん、報告が遅れてしまいすいません。それに関してもうひとつ、報告があります。それはツアーが終わったら、Hey! Say! JUMPは、無期限の休止をいたします。勝手な判断で本当にすいません。ですが、裕翔は必ず……」

ダメだ。山田が、泣いてる。

違う、薮ちゃんもだ。

周りを見れば、知念も、伊野ちゃんも、光も、高木も、圭人も、みんな涙を浮かべていた。

…………あれ？

俺も、泣いてる？

大貴「……っ」

気づかなかったんだ。いや、気づけなかったんだ。

『メンバーは、友達以上の存在』

『メンバーは、家族みたいなもの』

一緒にいるのが当たり前で、気づきたくても気づけなかった。

一緒にいなくなったら、どれだけ悲しいか。

俺は山田の背中をさすった。

大貴「必ず、裕翔は戻って来ます。そして、また9人で同じ舞台に立ちます。みなさん、ご理解とご協力のほど」

「「「よろしくお願いします」」」

俺たちは待ち続けよう。たとえ、別々の道を歩んでいたとしても。