桜が散ると、真っ先に夏を一緒に見に行こう。【HSJ】 (ページ17)

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15話ページ17

(龍太郎side)

※ここから龍太郎の話になります。

俺は、本来なら今もHey! Say! JUMPに“いるはず”だったんだ＿＿＿＿＿＿。

数年前、ある理由をきっかけにHey! Say! JUMPを脱退した。

それが森本龍太郎、俺だ。

初め、脱退するとメンバーに言った時、猛烈に反対された。

『理由なんて関係ない。Hey! Say! JUMPは、10人で一つなんだから』

けど、そんな優しいメンバーの反対まで押し切ってHey! Say! JUMPを脱退したのは、俺以外のメンバーにまで被害が出てしまうから。

メンバーにだけは、迷惑をかけたくなかった。

龍太郎「……もしもし」

侑李『龍太郎！今からゆーてぃーの手術なんだ！よかったら来てくれないかな』

知念くんの頼みを聞き、スケジュールチェック。

幸い、今日は仕事がなかった。

龍太郎「了解。今から行くね」

電話の奥で知念くんが「待ってるよ！」と言ったのを確認してから電話を切った。

最近、Hey! Say! JUMPのメンバーであり、
Hey! Say! 7のメンバーでもあった中島裕翔が、脳の病気にかかってしまった。

医師によると余命は約1年。

もうあと少ししか時間がない。

1度は一緒にいるのを諦めたメンバーのひとり。

一緒にまたいたいなんて、おかしいかな。

でも、俺は今の裕翔と過ごしたい。

残り少ないかもしれない時を大切にしたい。

龍太郎「おかしくなんか、きっとない」

俺は、少ししか過ごせなかった日々を、ひとつひとつ、丁寧に思いだしながら裕翔が入院している病院へと向かった。