92話 もう終わり ページ19
「さぁ、貴女方がやって来たことを謝ってください。」
空気が張り詰める中、舞台に数人の男達が壇上に上がってきた。
幸村「篠川さん。もう、やめてくれないかな。舞台を壊して恥ずかしくないの？皆、一生懸命頑張ってきたんだよ？」
私は口を閉ざす。
柳「この舞台は初の合同文化祭だ。君も成功したくはなかったのか。」
成功？したかったよ？
美羽「私の楽しみにしてた劇がぁ壊されちゃったぁよぉ」
真田「何か言わんか！篠川！！」
うるさい。もう、私を苦しませないで。
後ろにいる数名が拳を握り締める。
グレン「一応、行っときますけど。成功をめちゃくちゃにしたのは俺たちのせいでもありあなたがたのせいでもあるんですよ。」
幸村「君には言ってないよ。俺は篠川さんに解いてるんだ。」
ぴしっと亀裂が入る。
私はもうだめだった。
「……ないで…」
柳「？」
私はマイクを彼に投げた。
皆「「!!」」
「ふざけないで！！同じクラスになって２年間テニスで頑張ってきて皆に認められて楽しくて、このまま楽しい思い出で良かったのに、美羽さんがこの学校に来てから3日で絆なんてすぐに壊れて…」
あの思い出は何だったの？
あの頃は幻だったの？
「特にね…幸村くん。私貴方が好きだった。」
幸村「え、…!」
キース「!!(こいつが、セナが憧れで好意を向けていた奴か)」
「最初、同じクラスになってからテニス部員に関わるなんて思わなかった。その頃は友達と言える人がいて話すのが好きで委員会も入っていて…」
部活にはいるのは高校生からだと決めていた。
けど、幸村君達がテニス部員に誘ってきて私は変わった。
最初のうちは拒否っていたが幸村君だけは毎日誘ってくれて、趣味とかいろいろ付き合ってくれて。
惹かれていっていたのかもしれない。
そんなものは無いのだとあとから壊されることになるのだが。
「優しい貴方が、厳しい貴方が好きでした。憧れで…惹かれていて…。けど、もうだめだと悟ったのは」
美羽の方へ見る。
「貴方が来てからです。美羽さん。」
びくっと美羽さんが固まる。
私は手首を触り泪を流した。
「貴方が来てから周りが変わった。嘘の脅迫、嘘の言い訳。もう、うんざりです。」
もう、逃げないと決めたのだ。
「でも、美羽さん。ありがとう」
後ろにいた皆がえっ！！と声を出した。
キース「セナ、なんでお礼なんて言うんだよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷぅ(プロフ) - 読んでて気がついたのですが、ヒロインが劇中に怪我した後に王子達がステージに登場するシーンですが、89話が抜けているのでどうやって登場するのかが知りたいです(ToT) (2019年7月13日 14時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - キース編もヒロインが学校生活でいじめられる姿が見てられないぐらい可哀想だったけど最後は感動しました(ﾉД`)ｼｸｼｸ 決着が着いた時に幸村がヒロインの名前を呼んでたけど何て言いたかったのかな？たぶん「ごめんなさい」とかだと思うけど気になります(´Д｀) (2019年7月5日 1時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - 初めてのコメントで失礼します、この作品が好きで繰り返し読ませて頂いてます(^-^)私は他の王子様も好きで特にウィルとエドワードの2人が大好きなのでウィル編とエドワード編を書いていただく事は可能ですか？ もし可能だったら宜しくお願いします(^_^) (2019年7月5日 1時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珀沐一騎鳴神 | 作成日時：2017年9月17日 2時
