君と私の世界を (ページ13)

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Story11 ページ13

福本side

他愛もない会話をしたらもうスタジオに。

俺はずっと頭の中でさっきのことが離れんかったけど。

福「よし！行こか！」

『うん。』

Aの手が震えていた。

誰も一緒やないとき、気がついてあげられへん時、一人でどんな気持ちなんやろ。

福「早く来たから早く着いたし、なんか買い行く？」

『うん！この前できた、スムージー屋さんは？』

福「そーしよか。」

『うん！』

すぐ近くだったから1分もかからなくて、すぐついてしまった。帰りは遠回りしたろ。できるだけ楽屋にいる時間が短くなるように。

福「なに味にする？」

『オレンジ！』

福「めずらしない？Aがオレンジ頼むん。」

『だって大晴くんカラーやん。』

福「可愛すぎるて。なら俺はAのメンカラのピンクグレープフルーツにするわ！」

『やったー！』

Aは記念とか言って、たくさん写真を撮っていた。きっと気を紛らわすため。

『あれ？なんか道ちがうんやない？』

福「ん。間違えてもーた。」

『そっか。まあええよね？冒険ってことで！』

福「うん笑せやな。」

スタジオ前、再びAの手が震えていた。

自分の楽屋が一番地獄て、本間辛すぎひん？楽屋ってリラックスする場所やんか。なんで大吾とかも気がついてあげられへんねやろ。

福「とりあえず自分の楽屋行って、荷物置いてこよ。そのあと、受付前集合な！」

こくりと頷くだけ。

福「招集かかるまで一緒にいよな。スムージー飲みながらしゃべろ。」

『うん。頑張ってみる。スムージー、今度、拓哉と風雅に自慢するわ。大晴くんにおごってもらったんやでって！』

福「俺の好感度、爆上がりやな笑」

『うん！笑』

少しさみしさの残る笑顔を浮かべて自分の楽屋へと戻っていくAを俺はずっと見つめていた。