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アルバイト ページ10

仲間を救出したその翌朝、
Aの姿はとある高級住宅地にあった。

その内の一つの邸宅のインターホンを鳴らす


豪華絢爛な住宅地の中でも一際大きな面積を
有するその邸宅は木々に囲まれるつくりで
玄関の門から家の様子は伺えない。



ゆっくりと自動式の門が開く。


美しい庭園を横切った後、裏口に回り
鍵を開けた。



入るとすぐにロッカーがあり、
シンプルな黒ワンピース、白エプロンに着替える。



長く広い廊下を足音ひとつたてずに進めば
だだっ広い吹き抜けのリビングに到着する。


そこには着物姿の上品なマダムが
窓からの景色を眺めていた。


『奥様、今日もよろしくお願いいたします。』


そう、ここはAのアルバイト先である。


羊の構成員達がアルバイトをするのかと
思われるかもしれないが、決して珍しい事ではない



評議会の一部の人間は月に一本の高級腕時計が
買えるほど儲けているが、それ以外の下級構成員は
日々、アルバイトをしながら生活をしている。




私は幹部級の人間だったが、その一部の幹部の様に
部下達と闇ビジネスをやったり、
他の組織から武力で強奪したりしていたわけではなく、
仲の良い部下達と(最早友達と言ったほうが正しい)
ご飯を作ったり、小さな子供達に勉強を教えたり
していただけだ。食料代や文房具、本などの
お金は自分達で働いて賄っていた。


みんな、飲食店や本屋の様な普通のアルバイト
をしている。



私のアルバイト内容は、ハウスキーピング。
家事は勿論、お客様に合わせて様々な役割を
担っている。



時にはお買い物の付き添い、
ティータイムの話し相手、ホームパーティー準備


大変な事も多いが、結構な額を稼ぐ事ができる為
文句はない。




奥「まぁ!その怪我どうしたの?」



奥様は私の包帯姿を見るなり叫んだ。



『不注意で転んでしまいまして、でも
 骨折はしていません。お気になさらず。
 いつも通りお仕事させていただきます。』



奥「怪我した女の子に家事なんてさせられないわ。
  今日はそんなに家事も溜まってないし、
  お菓子でも食べながら、一緒にゆっくりしましょ。
  話し相手になってちょうだい。」

上品に微笑みかけてくださったので、
私も微笑み返しながら、首を縦に振った。

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( 。ω。) - オリフラ(オリジナル作品というタグのこと)ついてますよ! (1月3日 8時) (レス) @page2 id: 550fd98a77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノアイユ | 作成日時:2024年1月3日 3時

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