インターポールから来た子供

まずい事になった ページ4

風見side

インターポールから派遣されて来たという
国際捜査官の自己紹介を聞きながら
これはまずい事になったと思った。


そもそも、インターポールに協力を要請したのは
我々公安だが、自分達は最初から国際捜査官と
一緒に捜査する気など毛頭ない。


別に国際捜査官が優秀じゃないと言っている
わけではない。

実際に、国際捜査官になるのは世界一難しい
と言われている程だ。優秀じゃないわけがない


しかし、それ以上に降谷零という男の方が優秀だ


国際捜査官をも圧倒させる程の知識量、技術
素早い判断力、鋭い洞察力

降谷さんがいる限り、捜査が難航してどこかに
協力を依頼することなど本来なら必要ない。


しかし、そんな降谷さんでも国際捜査官に
負けるところがある。


それは、職権だ。

国際捜査官には情報特権というものがある。

その権利は、簡単に言うと各国の機密情報
を自由に見る事ができる権利

その情報内にはゼロが犯人を逮捕するため
に必要な情報が多くある。


その権利を利用するためだけに、
ゼロは協力要請をし、捜査官が持つ
情報特権で証拠となる情報を盗む。


そのおかげで、ゼロは数々の犯罪組織
を壊滅し、日本の安全を守ってきた。


しかし、つい先日インターポールは
何者かにパソコンをハッキングされた
事に気づき始め、捜査を開始した。

それを受けて、我々はすぐに証拠となる
ものを全て削除したが、日本の公安警察の
誰かという事は勘づかれてしまっただろう。

だが、日本の公安がやったという確固とした
証拠はない。処罰を下したくとも出来ない。
インターポールはさぞ屈辱だったはずだ。


そんな事があった後で、協力要請を受けてきた
国際捜査官がまだあどけない子供。



これは明らかに、嫌がらせだ。

降谷さんや他の部下も同じ事を思ったのか
目の前にいる子供の事を苦い目で眺めていた。

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