No.54 ページ10
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side萩原
…運命の時間がやってきた。
それは少し大袈裟だけど、俺にとって、否、俺たちにとってはそう呼ぶのが相応しい時間だった。
絶望的な雰囲気が俺と松田を襲っていた。
目の前には、いつもなら上機嫌で簡単に押せるインターフォン。
今は、できることなら押さないで帰ってしまいたい。
「…押せよ、萩。」
隣に立つそいつは、自分は絶対に押すまいと訴えるように、両手をポケットに突っ込んでそう言い放った。
「無茶言うなよ陣平ちゃん！無理！絶対無理！」
その無責任な態度に全力で反抗の意を示すように叫ぶ。
この家の持ち主は、夜9時にここに来るように温度のない声で俺らに告げた。
「だってAちゃん吃驚するくらい怒ってたじゃん！」
「だから俺も押したくねーんだよ！」
「陣平ちゃんが悪いじゃん！」
「お前も同罪だろ馬鹿！」
ああ言えばこう言う、ヒートアップしていく口論に、徐々に苛立ちが募っていく。
そのままファイティングポーズをとり、お互いに殴りかかる準備をした、
…ところだった。
＿＿＿＿＿ガチャ。
「「………え、」」
すぐさま響いた軽い音に、俺らは拳を握り締めたままフリーズする。
無情にも開かれたドアから顔を出している、真顔のAちゃん。
その表情と纏う雰囲気ですぐさま悟る。
…すっげー怒ってる。
『…入って。』
女の子のものとは思えない程の威圧感に、思わず2人とも押し黙り、戸惑いつつも大人しくAちゃんの後ろについて行く。
リビングに入っていったAちゃんの背中を見ながら、これからこってり叱られるんだろうな、半ば諦めの感情を抱いた。
「…は？」
と、俺より先にリビングに入った松田の背中が急に止まる。
「どうした、…って、え？」
その不自然な動きに疑問を抱き、松田の背中越しにリビングを覗き込んで俺も思わず動きが止まる。
「なんでお前らがここにいんの…？」
俺の問いに、そいつらの仏頂面だった表情に僅かな笑みが浮かんだ。
それは、優しい微笑みとは程遠い、真っ黒で背筋が凍る、そんな笑み。
『私が呼んだの。』
そう言うAちゃんの顔にも綺麗すぎる笑顔が浮かんでいるけれど、目が笑っていない。
「話は全部Aから聞いた。…お前ら、覚悟はできてんだろうな？」
「本当に、馬鹿だなお前ら。」
そこにいたのは、いつぶりかの一発殴る気満々の降谷に、呆れ顔の諸伏だった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
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あすか(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年3月23日 23時) (
レス) @page13 id: 6b7ef0d566 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 紅月さん» とても素敵なコメントありがとうございます！！警察学校組との絆はしっかり表現したかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです！引き続きよろしくお願いします！！ (2020年8月7日 17時) (レス) id: 1fac6c4e46 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - すごく面白いです！ホワイトハッカーてやっぱかっこいいですね！親友のような強い絆で繋がる警察学校組と夢主の関係が尊い…！ (2020年7月30日 23時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - FBI！！！！www (2020年7月10日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ | 作成日時：2020年7月10日 18時
