No.52 ページ8
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馬鹿、阿呆、くそったれ。
なんでもっと早く私に言わなかったんだ、もし私が来なかったら死ぬつもりだったのか、ふざけるな。
言いたいことは沢山あったのに、涙と嗚咽がそれを許してはくれなかった。
もうなんでもいい、生きてるなら、それでいい。
確かに感じる体温と伝わる心拍が、これは現実だと優しく教えてくれた。
「…すまねぇな、」
いつも同じ、でも少し切なさを孕んだその声だけが、私の耳に入ってくる。
大きな安堵に立っていられなくて、ずるずると座り込んだ私を柔らかく抱きしめる陣平。
小さく呟かれたその謝罪に答えようと、何度も何度も頷いた。
『無事で、よかったっ…』
ただそれしか、言えなかった。
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文字通り、腰が抜けてしまった私は、地面にへたり込んだまま数分が過ぎた。
隣では陣平が佐藤刑事や目暮警部と話をしているけれど、内容は全く入ってこなかった。
というか、外部の音がまともに認識することができなかった。
ただひたすらに私の鼓膜を揺らすのは、自らの拍動と浅い呼吸音だけ。
…怖かった、本当に。
ホラー映画を見たり、肝試しをしたりする恐怖の比にならない。
大切な人を、目の前で失くすという恐怖は。
兎に角一度落ち着こうと、ゆっくりと深呼吸をし始めたその時、握りしめていた研二の携帯が震えた。
うまく力が入らない指をどうにか動かして、緑色のボタンをタップする。
「もしもし、Aちゃん！？無事！？」
聞き慣れた声に安心する。
その反面、聞き慣れた、という事実に少しの恐怖が滲んだ。
…みんながいることが、当たり前になってしまっている。
「Aちゃん！？大丈夫！？」
返事をしない私に焦ったように声を大きくする研二。
その音に気付いて、陣平が携帯を持ち上げる。
「…心配かけたな、萩。俺もAも無事だ。」
「よかった…、こっちも無事解体した。」
陣平がスピーカーをオンにしてくれたのか、普段通り緩くなった研二の声がよく聞こえた。
「Aちゃん、立てる？」
『あ、……すみません、』
陣平が電話で話を続けたためか、佐藤刑事が私に手を差し伸べて声をかけてくれた。
目暮警部はもうパトカーに乗り込んでいるみたいだ。
佐藤刑事の手を借りながら、ぐっと足に力を入れて立ち上がった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
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あすか(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2022年3月23日 23時) (
レス) @page13 id: 6b7ef0d566 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 紅月さん» とても素敵なコメントありがとうございます！！警察学校組との絆はしっかり表現したかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです！引き続きよろしくお願いします！！ (2020年8月7日 17時) (レス) id: 1fac6c4e46 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - すごく面白いです！ホワイトハッカーてやっぱかっこいいですね！親友のような強い絆で繋がる警察学校組と夢主の関係が尊い…！ (2020年7月30日 23時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - FBI！！！！www (2020年7月10日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なるせ | 作成日時：2020年7月10日 18時
