No.50 ページ6
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険しい顔をしているであろう私に、研二は至って明るい口調と表情を向ける。
「でも彼奴のことだから、すぐに解体して帰ってくるよ。」
研二の言葉にそうだね、と頷く。
今は13時55分。爆破まであと5分だ。
じわりと手に汗を握った時、研二の携帯が音を立てた。
「松田!!」
『っ、貸して!!』
研二が取り出した携帯を引ったくるように奪って、スピーカーにして思いっきり叫ぶ。
『陣平!!!』
「…おいおい、何でバレてんだよ」
いつも通り抑揚のない気怠げな声が鼓膜を震わす。
爆破予告は14時だけれど、私は全ての爆弾を遠隔操作も可能にした。
研二のように突然カウントダウンが始まってもおかしくない。
『ふざけんな、帰ったら一発ぶん殴る、いいから速く解体して!!!!』
「おー怖ぇ怖ぇ。心配すんな、この程度の爆弾、3分もありゃ…」
普段と変わらない、飄々とした呑気な声がぷつりと止まる。
頭の中で警報が鳴り響いた。
「…勇敢なる警察官よ、君の勇気を讃えて褒美を与えよう。
試合終了を彩る大きな花火のありかを表示するのは爆発三秒前。
健闘を祈る。____」
考えるよりも先に手が動く。
「Aちゃん!?」
猛スピードでキーボードを叩く私の指。
『もう一つの爆弾なんてすぐに見つけられる!!
っ、だから、速く、速く解体して!!!!!』
ツンと鼻の頭に鈍い痛みが走り、視界がじんわりとぼやける。
刻一刻と減る時間。3分だ。絶対に3分残さなきゃいけない。
「我は円卓の騎士なり。」
…病院だ。
私が作った爆弾。通信回路も自作。
つまりこうしてハッキングするのは赤子の手を捻るように簡単なこと。
『っ、米花中央病院…!!!』
スクリーンに映し出された爆弾の場所を叫ぶ。
「了解!」
すぐに察した研二が工具を抱えて駆け出していく。
腕時計を確認。13時56分30秒。…ギリギリだ。
『陣平!!生きて帰ってこなかったら許さない!!』
「…任せろ。」
研二の携帯を握りしめ、私も警視庁を飛び出して、車を飛ばして杯戸ショッピングモールへと急ぐ。
こんなにも赤信号がもどかしい瞬間があるだろうか。
陣平なら絶対に大丈夫と思う反面、もし、間に合わなかったら、という不安が一気に私を襲った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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あすか(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年3月23日 23時) (レス) @page13 id: 6b7ef0d566 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 紅月さん» とても素敵なコメントありがとうございます!!警察学校組との絆はしっかり表現したかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです!引き続きよろしくお願いします!! (2020年8月7日 17時) (レス) id: 1fac6c4e46 (このIDを非表示/違反報告)
紅月 - すごく面白いです!ホワイトハッカーてやっぱかっこいいですね!親友のような強い絆で繋がる警察学校組と夢主の関係が尊い…! (2020年7月30日 23時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - FBI!!!!www (2020年7月10日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2020年7月10日 18時