拝啓、爆弾魔さん。【名探偵コナン】

No.15 ページ16

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「は、」


「っどういうことだテメェ」



怒気を露に立ち上がった松田さんに、すみません、ちゃんと一から全部話します、と言って何とか落ち着かせた。



神妙な面持ちでこちらの言葉を待っている2人を一瞥し、ふぅと一息。



その後、両親がFBIだったこと、私も2人を目指して色々学んできたこと、おじさんとの出会いから1年半どう過ごしてきたかということ。



そして。


生きていると思っていた両親が何者かに殺されていたこと。



長くなってしまったが、取り零すことなく一つ一つ話した。



実際に言葉にして話すと、どれ程恐ろしい物体を作り出してしまったのか、と自分の行動がとてつもなく恐ろしく感じられた。




『私が作った爆弾は全部で11個です、必ずまた爆弾を仕掛ける筈なんですっ、

止めないとッ！絶対に、止めなくちゃいけないっ』



あの人の手の中にはまだ9個の爆弾が残っている。



共犯者、と言ったあの人の声が頭の中で木霊した。



焦りと不安が一緒になって私の恐怖心を煽った。



どうしよう、あの人の思い通りになってしまったら。


沢山の人があの爆弾に巻き込まれることになってしまったら。



カタカタと指先が震えていた。


ああ、だめだ、本当に私は弱くっていけない。




何としてでも、止めなくちゃ、守るんだ、絶対に、責任を取らないと＿＿＿＿＿




ぎゅっと拳を握りしめた時、ぽん、と頭に温もりと程よい重みが伝わってきた。




『っへ、？』



「よく頑張ったね、」




何が起こったのか把握できず、俯いていた顔を上げると、優しく微笑む萩原さんの顔があった。


私、今、撫でられてる…？




「今まで、一人きりで、本当によく頑張ったね、Aちゃん」



『そんな、こと…』



ない、と言い切りたかった。


出来なかった。



頭から伝わる自分以外の人の体温に、その久しぶりの温かさに、涙がこぼれてしまいそうだっから。


人とはこんなに暖かいものだったのかと、思い出してしまったから。



泣いちゃだめだ、沢山の人を危険に晒したのに。




「お前は別に自分の意思で爆弾を作ったわけじゃねぇ、その証拠にお前は爆弾を止めようと倒れるまで力を尽くしたじゃねぇか」



松田さんぶっきらぼうな物言いが、寧ろ酷く涙腺を刺激した。



溜まりに溜まった涙が重力に従って落ちていく。




「Aちゃん、もう君はひとりじゃない、


…＿＿＿＿＿＿俺たちに沢山頼っていいんだよ。」

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