拝啓、爆弾魔さん。【名探偵コナン】

No.13 ページ14

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夢見心地から軽く意識が浮上して、しっかりと目を開けた。



どうやら涙は夢の中だけで流れたものじゃなかったようで、目の周りが湿っているように感じる。



白い天井と蛍光灯の光が眩しくて、何度も瞬きしていると、ベッドの横に誰かがいる気配がした。



「…！！


大丈夫？今お医者さん呼んでくるね」




私が目を覚ましたことに真っ先に気づき、優しげに微笑んだタレ目の長髪の人。



…確か、爆弾の傍にいた人。



助けることが出来たことを倒れる直前に確認したのは覚えてるけど、実際ちゃんと生きているのを感じられて安堵の溜息を零した。




すると直ぐにお医者さんが来たので、看護師さんたちに手伝ってもらって上半身を起すと、もう1人くせっ毛でサングラスをかけた男の人がいることに気づいた。



誰かは気になったけど、取り敢えずお医者さんの言うことを聞いて、気持ち悪いところはないかなどの確認をされた。



倒れた原因は栄養失調と睡眠不足。


それが急に体を動かしたことによって更に悪い方向へ働いたらしい。



まあそりゃそうか、と半ば呆れ半分の笑みが浮かぶ。




ひとまず大事をとって、2日は安静にするように、ということになった。





……そして今。



お医者さんはお大事にという言葉を残して看護師さんたちを引連れ出ていったため、警察官だと推測される男の人2人と3人きりだ。


2人とも私のベッドの横の椅子に黙って座っている。



なんとも微妙な空気。



「あの、さ！！！！」



話しかけるべきだろうか、と悩んでたところに突然長髪の人が声を上げた。


真っ直ぐな瞳に力強く見つめられ、目が離せなくなってしまう。





「あの時は本当にありがとう。


…君がいなかったら確実に俺は死んでた。君は命の恩人だよ。」



凄く一生懸命に言われているのが伝わって、こっちまで少し緊張してしまったけれど、同時にこの人を助けられた安堵で胸がいっぱいになった。




『本当に、よかった、助けられて。』



私は心底気の抜けた笑みを浮かべてることだろう。


その証拠に2人とも半分口が開いてる状態でぽかんと私を凝視してる。



でも仕方ないじゃないか、本当に安心したし、夢でしっかり両親と言葉を交わすことが出来て心が安定してるのだ。




2人の視線に何だがむず痒くなって、手元に視線を落とした。

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