【刀剣乱舞】その審神者、政府の頂点なり【ブラック本丸】

使役者 ページ48

薬研side





『お初に御目に掛かる。

我は梓司を主として身を置く神獣、狼である。



貴殿には普段から主がお世話になっている。

この場を借りて挨拶させてもらおう。



では、』



狼は一旦そこで言葉を区切ると、

今迄漂っていた神気、雰囲気が
ガラっと変わった。





『何回主を危険な目に合わせれば
気が済むのだろうか？

主はこれでも立派な人間だ。

貴殿のような鬼女についていける筈もない。

そこを然と考慮しての行動であろうか？


水の中に沈める。崖から落とす。

挙句の果てにブラック本丸とやらに主を
丸腰で一週間放置。


これは明らかに私情も挟まれてはいないか？

特に崖から落とした時、

貴殿は副責任者殿に
注意喚起を受けたそうではないか。

そんな腹いせに主を使うなんて言語道断。
反吐が出る』



はっ、と吐き捨てるように
一気に捲し立てた狼。


思わず紅緒さんを振り返って見た。


紅緒さんは少し視線を下にしながら
少し肩が震えていた。




あ、これ＼(＾o＾)／ｵﾜﾀ



そんな空気が漂っていた。


ゴクリ…

誰かが唾を飲む音が聞こえた。





紅緒「………くく…。うふ、あっはははは！」



沈黙が続いた中、
意外にも沈黙を破ったのは紅緒さんだった。





紅緒「あっははは。あー笑った笑った」





『…何がそんなにおかしい』



狼が不機嫌そうに放った。





紅緒「いやァ？別に、

人に使役されてる可哀想な
犬っころを見てたら

まあ吐くわ吐くわ暴言の嵐。
神獣っていう自覚……

嗚呼、
人に使役されてる時点で

そんな意地(プライド)ないかねぇ？


これぞまさに負け犬の遠吠え、って訳かい？


クックック…。

そう考えると
ついつい笑えてきちまってねぇ？」



ああ、これは拙い。非常に拙い状況だ。


狼は今にも紅緒さんを
噛み殺そうとする勢いだし、

紅緒さんも紅緒さんで煽っているし……




此処はもう使役者の男しか頼る人がいない！

そう思い、
狼の背に乗ってる男に視線を向けると、





梓司「((((;°Д°;))))ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ」








嗚呼、こいつぁ


もう駄目だ(遠い目)







此処に居る刀剣男士の心が一つになった。

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