【刀剣乱舞】その審神者、政府の役人なり【ブラック本丸】 (ページ26)

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もう心配ありませんねページ26

Aside

それから私は、

少し用があるからと言って、
こんのすけ達を先に門へ向かわせた。

誰もいなくなったのを確認すると、
何も無い空間に向けて言葉を発した。

A「これで貴女の望みは叶いましたか？

前審神者さん。いえ、葉さん」

私がそう言うと、

すうっと白い着物を着た
人ならざるものが空間を切るように現れた。

いわゆる、幽霊の類だ

葉『はい。ありがとうございました。

………私がこの本丸を乗っ取られ、
見習いであった奈菜さんに

言霊で操られた一期一振に斬り殺され、
私は後悔と無念さがずっと心に
引っ掛かっておりました。

でも、私を裏切られたとしても

刀剣男士やこんちゃんには
元気でいて欲しかったのです。

私の亡骸とこんのすけちゃんは

審神者部屋に閉じ込められてしまい、

術を外から掛けられ、
なす術がありませんでした。

もう、こんちゃんの霊力が
尽きてしまう直前に＿＿』

A「私がこの本丸へ来たんですね」

葉『はい。
勝手ながら利用させて貰いました。

奈菜さんが貴女に殺せと命じた時、
私の最後の持てる力で刀剣男士達の呪縛を
全て解きました。

これで後は
こんちゃんを見つけて貰えば
終わりと思っていたのですが、

なかなか苦戦していたようで…』

葉さんはそう言いながらくすくすと笑った。

A「お手数をお掛けしましたね」

私がそう言うとまた話し始めた。

葉『私の声は聞こえるか心配でしたが、
届いたようで良かったです。

そして、無事こんちゃんも助けられて

漸く、私の悔いは無くなりました。

愛する刀剣男士達に最後会えなかったのは
少し気がかりですか、

これで心置き無く逝けます』

A「………貴女の逝く先に幸多からん事を」

私がそう言うと幽霊は身体が薄く透け始めた。

光の粒が闇夜に散っては溶けていく。

葉『もう、時間ですね。

Aさん。

一つ……約束してくれませんか？』

A「ええ、何でしょうか？」

葉『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿』

A「……はい。
しっかりと聞き届けました。

安らかにお逝き下さい」

葉『ありがとう』

葉さんはそう言い残すと、
光の粒と共に暗夜に消えていった。

A「大丈夫です。約束守りきりますね」

私はそう言うと審神者部屋を出た。