そろそろ終わるダンガンロンパ短編集4

残酷 ページ11

ここは、現実の世界ではない。

言ってしまえば『ゲームの中の世界』なのだとモノクマから教えられる。

「…そう…」

不思議と特別驚きはしなかった。


繰り返される世界。

繰り返していた事を知っていた凪斗。

現実で起こりうる訳が無い。

それこそ、フィクションの世界でなければ。

『ゲームの中の世界』だと知ってしまえば、辻褄があってしまうのだ。


「あれ、意外と驚かないんだねぇ？

まぁ勘の鋭いAさんだもの。薄々気づいてはいたと思うよ」

「…ゲームの中の世界だなんて、思いもよらなかった。
でも、これが現実世界だとは…」



「"思っていなかった？"

キミの場合、そう信じざるを得なかったのか、本当にそう推理していたのか、解らないところだねぇ」


確かに私は、そう信じていたかっただけなのかもしれない。

皆が次々死んでゆく。

そんな世界、本当は夢のまた夢なのではないか、と。


だからこそ、私は嬉しかった。


「ねぇモノクマ、この世界がゲームだとしたら、凪斗は……皆は…、どこにいるの…？」

Aの声のトーンが少し上がる。

僅かな希望が見えたからだ。



けれどモノクマは、目を瞑りAから顔を逸らした。

「………生徒に辛い真実を教えるこの瞬間……




胸が高鳴るねぇ!!!!ハァ、ハァ」



モノクマは冷や汗を垂らしながら息を荒くした。


「まぁそんなに急いでも誰も来やしませんし、まずはボクから、キミについてを特別に教えてあげましょう」


そして私は教えられる。


この世界を創っているのは"新世界プログラム"という未来機関のプログラムだという事。

ユーザーの脳に直接作用を及ぼす事で、仮想現実世界を共有させる仕組み。

…私だけが、その新世界プログラムに掛けられているということを…。



「ねぇAさん、この世界にはいないキミのクラスメイトは、今は一体何をしていると思う？」

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