くいず、のっく。

__優しさ_ymmt ページ12

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｢うぅ、っさむ…｣





つま先がひんやりとした感覚によって、途切れた睡眠






ふと目に入った時計が表す 8:20 の文字









…いつの間にか寝落ちしてた。








昨日は祥彰とQuizKnockの動画撮影帰りにDVDを借りて、次の日が休みだからって一緒に観たんだった








寝起きでうまく働かない思考を巡らせていると、真横から聞こえてきた小さな寝息。






体を起こして顔にかかった前髪を掬ってみる。





幸せな夢でも見ているのか、その口元は緩んでいた。







向かい合わせになるようにして、気持ちよさそうに眠る彼を見つめる。






伏せられた長いまつ毛も、シャツから伸びた程よく筋肉のついた腕、唇の上にあるほくろでさえ愛しくて






起こさないようにおでこに口付けると、布団の擦れる音と、背中に回ってくる腕








山本｢…おはよ｣



｢おはよう｣





ゆっくり上下する瞼が、もう少し寝ていたいって訴えてるような気がした。






｢…もう少し寝る？｣



山本｢う〜ん、…A、｣







背中に回された腕に引き寄せられて、密着したお互いの体





足を絡められたと思ったら、静かな部屋にリップ音が小さく響いた。









寝起きの祥彰は、稀に大胆な時がある。






普段はあんなに白い歯を見せて笑っているのに、掠れた声で名前を呼んで、触れるだけの口付けをして、得意気に微笑んでみせるんだ。









｢よしあき、…って、あれ｣





先程まで聞こえていた規則正しい寝息が耳に入ってきたので、目にかかった黒髪を指に絡める。








｢…寝てるし｣









頭を起こして辺りを見渡せば、パッケージに仕舞われたディスクに、充電コードが刺さっている 放置しておいた携帯電話。







ソファに並んで映画を観ていたはずなのに、目が覚めたらしっかり布団の中に居た。








｢ありがとう｣





改めて祥彰の優しさには頭が上がらないと思いながら、カーテンから差し込む光を遮るように目を閉じた。









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