モブインの親友は楽じゃない

9話 ページ11

国見 side



教室に忘れ物をしたため取りに来たら

隣のクラスの5組に人がいた

まー必然的に窓から誰か見えるわけで

目の前を通った時



国｢あ、｣



思わず声が出た

相手はこちらを向く


やっぱりそうだ、


玉瀬といつも一緒にいる奴


黙ってるのも気まずいと思い

国｢えと、こんにちわ？｣


と挨拶をする



『こんにちわ』



あ、返してくれた

彼女は多分バレー部が嫌いだ

さり気なく避けている



いいチャンスだと思い


国｢そんなにバレー部が嫌いなの？｣


と疑問を投げかけた


は？みたいな顔をしている彼女に



国｢いつもバレー部がくると寝たフリするよね

さすがに避けられてるって気付くよ｣


と言う


それもそうかと思ったのか


『嫌いじゃないよ』

と返ってきた


は？嫌いじゃない？

あんなに避けてるのに？


知らず知らずに


国｢じゃあなんで？｣


と問いかけていた

それから質問で返され

答えると、彼女も答えてくれた


あ、答えてくれるんだ




『バレー部ってさバレーをする部活だよね』


国｢うん｣


『マネージャーをいじめる部活じゃないよね』



国｢ｯ.......うん｣



『人を傷付ける言葉をあーも簡単に言える奴らを逆にどう好きになれっていうの？』


国｢ｯ....そ、それは｣


『ましてや、私の親友だよ


許せるわけないじゃん』


俺は黙り込む

事実を突きつけられりゃ黙るしかない

黙ってる俺を見てのことなのか

さっきより低い声で


『これ以上、和優を傷付けんな』


すぐに分かる

こいつはバレー部が玉瀬に強いあたりをしていることを知っている

親友だから許せないに決まっている、か


でも多分こいつはわかってないと思う




国｢俺は、玉瀬が好きだよ｣


.......


『は？』


理解ができていないのか

間抜けな声で返された

え、笑いそう(真顔)



国｢バレー部全員があんな対応だと思わないでよ

少なくとも俺は違うから｣


さすがの俺でも

恥ずかくなりその場にいてもたっていられず

逃げるように教室を出た


ポカーンと口を開いたままこちらを見つめる彼女に


少し笑えてきて


見えないようにｸｽｯと笑ってしまった




国｢面白い奴を親友に持ったな、玉瀬は｣




友達を大事にするところ


玉瀬にそっくりだ

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