7話 この花の名は〜買い出しデート（仮）2〜 ページ8
「いやー、のどかできれいな場所ですねえー」
「そうだねえー」
のんびりとした口調で話しているオットーとAは、スバルから存在を聞かされていた、花畑に足を運んでいた。
なんでも、スバル曰く、かなりおすすめのデートスポットらしい。
買い出し自体はすぐ終わるので、先に村を見て回ることにしたのだ。
「オットー、あげる。」
そう言ってAは、オットーの頭に花で作られた可愛らしい冠をのせようとした。
が、背が届かない。
かわいいなと思いつつ、オットーは少ししゃがんであげた。
「なっ、別にっ。別にもうちょっとで届いたのにっ」
全く痛くないパンチを何度もお見舞いしてくるA。
これはデートではないはずだが、はたから見れば今の二人は、幸せそうな恋人に見えることだろう。
(なんとなくわかってましたけど、やっぱりAさんは、子供扱いされるのがよっぽど嫌みたいですね。)
オットーはほぼ無意識に、足元に生えている、名も知らない白い花を摘み取り、艷やかなAの髪に飾った。
「え、あ、ありがと……？」
少し驚いている様子のAは、顔が少し赤く染まっていた。
「あー、ここにナツキさんがいれば、ミーティアでAさんの姿を残すことができたんですけどねえ。もったいないです」
そうつぶやくオットーの横顔は、いつもと少し違う気がして。
Aの心臓が、ドクンと一回、大きく跳ねる。
「……はっ、早く、早く次の場所に行こう」
照れくさくて、離れるのが名残惜しいはずの場所を離れようとしてしまうA。
「……もう少しだけ、ここにいませんか？」
だが、オットーもまだここにいたかったのか、もう少し、とAを引き留める。
「う、うん。わかった。じゃあもう少しだけ……」
「あー、Aだー！元気ー？」
「スバルは今日一緒じゃないのー？」
「そのにーちゃん誰！？初めて見た！」
「もしかしてラブラブ？」
「わーい！邪魔しちゃえー！」
「わあっ！？」
Aが全ての質問を捌き切った頃には、もう買い出しを始めないと間に合わないほどの時間にな
っていた。
少ししょんぼりしているAに、オットーはまた来ましょう、と囁く。
「うん！」
彼女のその笑顔は、その後オットーの思考を乱すのには、十分すぎる威力だった。
8話 小さな少女の爆弾発言〜買い出しデート（仮）3〜→←6話 器用なメイド、不器用な内政官〜買い出しデート（仮）1〜
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
