18話 そこに温もりは残らない ※原作よりかなり軽めの流血表現あり ページ19
静寂と暗闇に包まれた夜の森。
その後もオットーはひとり、Aを探した。
既に限界を越えているはずの身体を酷使して、加護を使用しながら歩き続けた。
そして見つけた。
冷たい洞窟の中で、静かに存在している彼女を。
Aに息はまだあった。
身体にも温もりがあった。
だがその温もりは徐々に彼女から抜け落ちていき、やがてほとんど無くなってしまった。
息も段々と浅くなり、鼓動も弱々しい。
傍らには、黒い装丁の書物。
魔女教徒の証でもある、福音書だ。
何故こんな物がここにあるのだろうかとオットーが疑問に思うと同時に、彼の側で何かが動いた。
それが何か、確認するまでもない。
オットーの側にあるものは、Aと福音書、そして冷たい岩だけなのだ。
命の灯火を再び燃やし始めた少女は、ゆっくりと瞼を上げ、視界にオットーを映す。
そして。
赤い華が咲いた。
真っ赤な鮮血が、花のように散った。
Aのものではない。
彼女には散るほどの血液は既に残っていなかった。
ドサッと音を立てて倒れた青年は、意識を繋ぎ止めることも叶わず、呆気なくそれを手放した。
その直前、彼の唇は、意味ある言葉を紡いだ。
「だ、れ……」
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
