15話 氷の遊園地〜パックの発魔期 3〜 ページ16
次の日の昼過ぎに、スバル考案の「氷の遊園地」は完成した。
メリーゴーランドやコーヒーカップ、ジェットコースター、観覧車などの、地球から来たスバルしか知り得ないようなアトラクションが、屋敷や村の人間を出迎えている。
どれも完璧なクオリティーで、一切の妥協を感じない。
その夢のような光景に、その場にいる全員が目を星のように輝かせていた。
Aとオットーも例に漏れず同じであった。
「ねっ、ねえ、オットー！これすごいね！私、あれ乗りたい！乗ろ！」
「は、はい。いいですよ。」
いつものクールな印象のAはどこに行ったのか、やけにハイテンションな彼女に押され気味のオットー。
言われるがままに、ジェットコースターに乗り込む。
「「ぎゃあああああああ！！！」」
Aはなかなか楽しんでいたようだが、オットーはAに流されたことを初めて後悔した。
◇◇◇
次に乗ったのはコーヒーカップだ。
Aが調子に乗ってハンドルを回しすぎたせいで、降りた後フラフラになっていた。
オットーは行商人として竜車で各地を飛び回っていたため、乗り物酔いには耐性があった。
「なんで私だけ……」
「いやこれは自業自得ですよね！？」
恨めしそうに見てくるAに抗議をするオットー。
「知らないし」
適当に流されてしまったのであった。
◇◇◇
その次はメリーゴーランド。
氷の馬はメルヘンな曲をBGMに、くるくるとゆっくり回る。
何故か一緒の馬にまたがっているふたりは、かなり密着していた。
オットーに抱え込まれるようにして座っているAは若干不服そうだ。
彼女曰く、「この座り方、子供みたいでなんか嫌」だそうだ。
「ゆっくり回るだけであんまり楽しくなかった」
「大騒ぎして乗ったくせに辛辣な感想ですねえ！？」
つい10分ほど前に、Aがあれ乗ろうとオットーにせがんでいた光景が、ふたりの脳裏に蘇る。
「……次あれ乗ろ、オットー」
「なかったことにするのやめません？」
やはり今日のAは、やけにハイテンションだなとオットーは思った。
16話 夕日を透かすゴンドラの中で〜パックの発魔期 4〜→←14話 ベッドはひとつ、人数はふたり〜パックの発魔期 2〜
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
