14話 ベッドはひとつ、人数はふたり〜パックの発魔期 2〜 ページ15
「ご提案があるのですが、皆様よろしいですか？」
フレデリカが軽く右手を挙げる。
「大精霊様の発魔期も、数日は続くと予想されますわ。スバル様達の、ゆーえんち？の準備もあるでしょうし……。この寒さ、いくら暖炉があるとはいえ危険ですわ。発魔期が終わるまでは、お休みの際、二人以上で眠ったほうが良いと思いますの。」
フレデリカの提案は、かなり的を射たものだ。
確かにこの寒さ、暖炉の火でしのげるものではない。
「そうね。フレデリカの言うとおりだわ。問題は、誰が誰と寝るかよ。もちろんラムは、レムとロズワール様と眠るわ。」
さも当然のように、そそくさと自身の身を固めるラム。
ロズワールに拒否権はないらしい。
若干不満そうにしているガーフィールだが、ラムはその視線に気づかないふりをしている。
だが、誰と眠るかは非常に重要だ。
「わたしはフレデリカ姉様と一緒がいい！だめ……？」
「っ！もちろん、良いですわよ。」
可愛らしい容姿のペトラが上目遣いでお願いポーズをとる。
もちろん断れるわけがないフレデリカは、よしよしとベトラの髪を撫でた。
「では僕は、ナツキさんとガーフィールと一緒に……」
「？ オットーはAとでしょう？」
「「……はあああああああ！？」」
以外そうに、ラムはとんでもないことを言い出した。
屋敷に、Aとオットーの絶叫が響き渡る。
「え、オットーさんとA姉様は、恋人同士なんじゃないの？」
「わ、わたくしもそうだと思っていましたわ……」
「俺様もだァ。」
「おーやぁ、どうやら違うようだーぁね」
みるみるうちに、Aとオットーの顔が朱に染まってゆく。
「「違うっ！(違います！)」」
◇◇◇
「まさか、ほんとにこうなるとは……」
はあー、と悩ましげにため息をつくAは、同じ部屋にいるオットーの方をちらりと見て、赤くなった。
「すみません、嫌ですよね。僕はソファーで寝るので、Aさんは、ベッドでゆっくり休んでください」
にこりと微笑んだオットーは、宣言通りソファーに横たわる。
「……別に、嫌じゃないもん。そんなんで風邪引かれたら、困る。入ろうよ。私も寒いし」
今日はやけに積極的なAに驚きつつ、言われた通り、オットーは同じベッドへ潜り込んだ。
「んー、オットーあったかい」
「！？」
腕に抱きついてくるAを意識しすぎて、この晩、オットーはなかなか寝付けなかったのであった。
15話 氷の遊園地〜パックの発魔期 3〜→←13話 愛され猫の発魔期は突然に〜パックの発魔期 1〜
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あくる(プロフ) - そんな事を言って頂けて、感謝感激です！ またちまちまと番外編を書こうと思っていますので、よろしくお願いします！ (11月1日 18時) (
レス) @page28 id: 64a42a1344 (このIDを非表示/違反報告)
作者くん！(プロフ) - 神ですね、この作品 (11月1日 17時) (レス) @page28 id: 36c939bd27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2023年7月2日 1時
