52 聞かれてたんですけど！？ ページ4
もう一度横になってウトウトし始めたところで、台所から美味しそうな匂いが漂ってきた。
とうじさんが家事を出来ることには半信半疑だったが、どうやら出任せではなかったようだ。
食欲を唆る匂いにお腹を鳴らしていると、
まだ湯気の立っているご飯を持ったとうじさんが、ベッドの方へとやってきた。
え、お腹の音聞かれてないよね？
「おー、お待ちかねだな」
とうじさんは可笑しそうに言いながら、ベッドサイドに置かれた小さなテーブルに、
お皿とスプーン、そしてコップを置く。
「からかわないでください！」
どうやらお腹の音はばっちり聞こえていたらしく、とうじさんはニヤニヤしているままだ。
何がそんなに面白いんだか。
「あれ、それってチャーハン、ですか……？」
とうじさんの置いた皿に視線を移すと、
そこに盛り付けられていたのは男飯の定番とも言えるチャーハンだった。
いくらなんでも朝に、しかも具合が悪い人間にチャーハンは無いだろう。
だが、美味しそうな見た目と匂いに食欲が刺激されるのも事実だ。
「悪いか？味は悪くねぇと思うが」
「そういう問題ではなく……。いえ、いただきます」
きっととうじさんは朝からがっつり食べれる系の人なんだろう。
そう思うと、朝食にチャーハンを出すことにも納得がいった。
最初の一口を恐る恐る口にすると、広がったのは体に染み渡るような香ばしさ。
「……あ、美味しい」
自然と溢れたその言葉に、とうじさんは僅かに、得意げに口角を上げた。
一見とうじさんは無愛想に見えて、実は結構素直なところが可愛いのである。
「すごい、冷凍食品のやつより美味しいです。なんかパラパラしてます」
「それ、褒めてんだよな？」
何故か急に拗ねたような様子を見せるとうじさん。
褒めている以外に何があると言うんだ。
「え、冷凍食品のやつって美味しくないですか？店より安いし」
最近の冷凍チャーハンはどんどん美味しくなってきているし、
正直高い店に食べに行くよりずっと良いと思うんだけどな。
貧乏舌の私には、違いも大して分からないし。
「まあ、褒めてんなら良い」
とうじさんはそう言うと、私が食べ終わるのをずっと黙って見ていた。
大変食べづらいのでやめてもらうよう言ったが、何故か無視される。
それに対して非難を浴びせても、表情筋一つ動かさずに見つめられるものだから、
なんだか照れくさくなってしまい、結局下を向いて残りを食べた。
今まで食べたチャーハンの中で一番美味しかったというのは、流石に大袈裟すぎるだろうか。
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透水 - とても面白かったです！！続きを楽しみにしてます。 (4月15日 22時) (
レス) @page7 id: e8fae7b723 (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - つばめさん» いつもコメントありがとうございます(*^^*)テストも近くて更新できていない日が続いていますが、面白いと言っていただける励みになります！確かに、フィジギフが全力でデコピンやったら大惨事になりそうですｗ 甚爾くんになら頭ふっとばされても全然良いですけどね！ (2月27日 0時) (レス) id: 88d43718ec (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - やっぱり面白いです もし甚爾が全力でデコピンなんて普通の人にやったら頭ぶっ飛んでますよね コレ素で大丈夫そうなのは五条さんと全力の幾分手前の加減でギリ虎杖は大丈夫だとは思いますけど (2月26日 22時) (レス) @page5 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
あくる(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます！嬉しいお誘いありがとうございます！是非お話しましょう！ (2月15日 23時) (レス) id: 88d43718ec (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あくるさん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝☺️ (2月15日 19時) (レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あくる | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/
作成日時：2024年1月29日 0時
