検索窓
今日:8 hit、昨日:15 hit、合計:3,417 hit

03話 ムキムキの大男さんに出会いました(皆さんご存知あのキャラです) ページ3

あの日補充員の仕事を引き受けた後、すぐに話は動いて、次の日には仕事が始まった。

いつもはちんたらしている上層部がさっさと仕事をするなど、余程人手に困っていたのだろう。

仕事の内容は簡単に言うとこうだ。

私は朝早くに窓の拠点に行き、届いた飲み物を軽トラに積んで、それを高専の自販機に補充。

それから売上の回収とゴミ回収をこなす。

簡単に思えるが、これが結構しんどいらしいとネットで見た。

なんでも、荷下ろしが腰に来るとか。


「さっさと終わらせて寝よ」


幸い高専にある自販機は、数自体はそれほど多くないので作業は比較的すぐ終わる。

山の中にあって少し距離があるのがネックだが、まあ頑張る呪術師のためなので我慢だ。

私はマニュアルを確認しつつ、特に問題もなく一時間程で高専へと到着した。

流石、山の中なだけあって、都会なんかよりもずっと涼しい。


「あ、こんにちはー。自販機の補充に参りましたー」


サングラスを掛けた、いかつい感じの不審者感溢れるおじさんに挨拶をする。

噂には聞いてたけど、呪術師ってやっぱり変な人が多いのかな。


「ああ、君か、新しい補充員というのは。前任が年のせいで辞めてしまってな。

生徒たちも残念がっていたところだ」


「そうなんですね。じゃあ早く行ってあげないと!これからよろしくお願いしますね。では」


「ああ。頼んだぞ」


いかついおじさんと別れた後は、ダンボールを乗せた台車をひたすら目的地まで転がす。

意外と自販機が奥の方にあるみたいだ。


「……ふう、着いた」


やっとの思いでたどり着いた自販機は、想像通りというかなんというか、

売り切れランプがピカピカ点灯しまくっていた。

可哀想に、すぐに美人なお姉さんが補充してあげるからね。

鼻歌交じりで飲み物を補充していると、背後から私に近付く足音が聞こえてきた。

飲み物を買いに来たのかなと思い振り返ると、そこに居たのはムキムキの大男さん。

上手く言葉に出来ないけど、なんだか雰囲気のある人だ。


「こんにちは。飲み物補充してます」


「ふーん」


ちょっと緊張して、見れば分かることを言ってしまった。

アホか私は。

対して大男さんは興味なさげにあくびをしている。


「きょ、今日暑いですね」


「あ?ああ。山ん中だからまだマシだろうけどな」


飲み物を選んでいるようなので、とりあえず当たり障りのない話題を振ってみるが、

思っていたほど素っ気ない人でも無いのかもしれない。

本当に素っ気ない人は、本当に最低限の返事しかしないからな。

04話 手ってなんかえっちですね→←02話 自販機補充員になりました



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あくる(プロフ) - 三井葵さん» コメントありがとうございます!分かります分かります!甚爾くんにちょっと乱暴に教えられたいですハァハァ (1月23日 22時) (レス) id: 88d43718ec (このIDを非表示/違反報告)
三井葵(プロフ) - パパ黒が教師!?なんか想像しただけでも🤤 (1月23日 19時) (レス) id: b90638a2fa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あくる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/03240906ak1/  
作成日時:2024年1月23日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。