太宰くんは逆らえない

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『ねぇ私、何度も言ってるよね？』




「ッ」




『何時になったら私の期待に君は答えてくれるの？私暇じゃないのだけれど、』




「す、すみませｯ『ほら喋ってるからって油断しなーい』ぐッ」





ヨコハマに拠点を持つ裏社会の組織ポートマフィア
そのビルの薄暗い一室で一人の女性と包帯を身体に巻いた少年がいた

女性は凛とした姿勢で床に膝を着いて蹲っている少年を冷たい目で見下ろしていた





『あのね、私は意地悪でこんなことをしている訳じゃないの、君が心配だから直ぐに死んだりしないように厳しく教育をしているの、賢い君なら、わかるよね』




「は・・・はいｯ」





返答は肯定しか許されないような雰囲気を出し、女性は少年に問う

少年はもう立っていられない位全身がボロボロできっと腕は折れているであろう、腫れていて包帯を外せば白く綺麗な肌が紫色に変色してしまっているのが見えるであろう





『もう辞める？息が切れていて辛そう、息をしているのでもう精一杯でしょう』




「ｯ、僕はまだ・・！」




『これ以上続けて何か君に進展はあるの？また傷が増えるだけでしょう、今日はもう終わりにして医務室に行きなさい』




「ｯ、」





そう言って女性は少年に目もくれず黒の外套を靡かせ部屋を出て行く

一人残された少年は床で悔しそうに拳を握り苦しそうに口から少量の血を吐く





「ぐｯ、ごほっ、くふｯごほｯごほｯ、」




「っ、A、さんｯ」





少年は先程の女性の名を口にして瞼が閉じ、その身体が床に倒れた






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