マフィアを振り回した少女は中也と結婚します

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｢それで？結婚を許してほしいと｣
極めて真剣な表情になり2人を見据えた

『許してほしい、というか婚姻届の証人になって欲しい』
証人の欄に森鴎外と書かれた届を見せた
少し見て視線を、2人にへと戻した

｢深白は16歳だ、まだまだ未来がある。
けど自分で結婚を決めたんだね？｣
『うん』
見守る母のような表情を浮かべ中也の方を見た

｢中也と義理の兄になるのは嫌だ｣
｢俺もお前が義理の兄だなんて嫌に決まってる｣
明らかに2人とも顔を歪めた
また喧嘩になるのか...と深白はため息をつきそうになった

｢けど深白を幸せにするなら私は結婚を許そう｣

え、と深白は固まった
てっきり反対されると思っていたからだ
だが中也はそれを見越していたようであった

｢必ず幸せにします お義兄さん｣

深白は太宰と中也の顔を交互に見、元相棒だからわかりあうこともあるのかな...と思った

｢じゃあ証人にサインするね、深白ペン貸して｣
『あ、うん』

ペンを渡すと一文字ずつ大事に書きはじめた
書き終えるとペンをコトリと置いた

｢深白｣
『...？』
何？というと優しく微笑んだ

｢君はマフィアだ 当然表で胸を張って生きる事など出来ない｣

深白をマフィアに入れたのは太宰だ
このことに後悔も恨みもない
けれど何度もマフィアとしての生き方に悩んだ事はあった

｢けれどね、深白｣
深白の肩に太宰の手が乗った

｢私はそれでも幸せは手に入れていいと思う。
君たちも人間であるのは間違いないのだからね｣

だから
と続けた

｢幸せになりなさい深白｣

その時の笑みは祝福を現していて今までで1番穏やかな表情だった


｢まぁ中也が嫌になったならすぐに私の元に来て
すぐに退治てあげるから｣
｢手前！いい話にしといて俺を抹殺するな！｣

また乱闘が始まってしまった


深白はそれを止めることはなく微笑んで見ていた

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