マフィアを振り回した少女は中也と結婚します

探偵社に訪問3 ページ28

深白が立ち上がり子供と夫を任せて社長室に向かった
『失礼してます』
｢...なんだその挨拶は｣
『お久しぶりです、福沢さん』
来客用のソファーに座ることを促した
それに従い座った

｢先程から事務所が騒がしいが君たちが来たからか？｣
『私の息子と娘を連れてきたので』
少しの間沈黙のうち深白が口を開いた

『依頼がありここに来ました』
｢依頼...何だ？｣

深白は紙束を目の前に置いた
その中身はディープ・ホワイトという組織について
そして深白の賞金についてを綴ったものであった
『私には懸賞金がかけられています
それはこの先更に膨れ上がっていくでしょう

そしていつしかあの子たちにも賞金がかかる日がくる
その時助けて欲しいんです』
｢...探偵社にか
君はマフィアだろう、そちらで守るのが自然の流れだと思うが？｣
『私たち夫婦は確かにマフィアです
けれどそれだから子供達がそこに付き合う必要はないと思うんです
正しい道を歩んでほしい、
私が経験出来なかったことを過ごしてほしい』
深白は我が侭言ってすみませんと笑った

福沢は紙束を受け取った
｢分かったその依頼受けよう｣
『ありがとうござー｢ただし｣』
福沢は深白の言葉を遮った
｢ただし君は母親だ、最大限努力しろ｣
『...当たり前です、私は母としてここに居ます』
｢ならいい｣
顔が緩んだ気がした


｢社長！｣
事務所に入ると国木田が頭を下げていた
まだ中也と太宰は喧嘩をしていて
美桜は与謝野の腕で眠っている
宙也はオヤツを沢山食べれて満足そうだ

『福沢さん、この子が宙也で
寝ているのが美桜です』
無言で宙也の方に向かい手を出した
その手は目をつぶった宙也の頭を撫でた
｢...｣
美桜の顔をチラリと見ると事務所を出ていった

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