星空の王子さま【N.Kazunari】 (ページ22)

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コースターページ22

織姫さまは1年に1度会えるだけで満足だったのかな

私だったら耐えられない

けどそれを自分の幸福とするなら

それを愛の形とするなら

それはそれでいいのかもしれない

なにより

今の私よりは幸せなはず

だって

364日を過ごせば必ず彦星さまに会えるから

私はまた二宮さんに会えるかな？

いや、もう会えない

それは気持ち的にも、現実的にも、

いつかまた幸せになって

昔のことを笑えるくらいになったら

その時は会いたいな

『失礼致します、デザートをお持ちしました』

あ「ありがとうございます」

『、、、それとこちらも』

そう言ってデザートをテーブルに置いたあと

魔法使いのあの人が

私に手渡してくれたのは

―――― 織姫 ――――

決して上手くはないその字で

そう書かれたこのお店のコースター

「！？」

ビックリしてデザートを置き終わった魔法使いの男性をみると

優しく優しく

『よかったですね、』

笑ってくれた

まさかここまでしてくれるなんて

魔法使いはどこまで私のことをしってるのかな

感動と驚愕で言葉がでない

こんなにすてきな夜は初めてかもしれない

あ「ありがとうございます」

こんなことをしてくれる魔法使いさんが彦星だったりして

あまりに嬉しくて

魔法使いさんから貰ったコースターを

夜景にかざす

すると裏になにか書いてあるのが透けてみえて

裏に返してみると

―――― やっと会えるね ――――

それだけが書いてあった

あ「え、、」

これは魔法使いさんが私に書いたものじゃない？

じゃあ、だれ？

するとドアがノックされた

あ「は、はい」

反射的に返事をするとドアが静かに開く

そしてそこには二宮さんが立っていた

あ「二宮さん、、、」

『うん、』

二宮さんは少し恥ずかしそうに

でもしっかりと私を見て言った

『やっと、会えたね』

あ「ぅん」

あんなにあなたを想って

でも会えないと思ってたのに

まさか二宮さんから会いに来てくれるなんて

嬉しすぎて涙がとまらない

あ「うぅ、、、」

『そんなに泣かなくても笑』

あ「だって、、、！」

ちゃんと喋り終わる前に腕を引かれ

私は二宮さんに抱き締められた