星空の王子さま【N.Kazunari】 (ページ2)

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予約ページ2

今年もこの季節がやって来た

じめっとするこの梅雨の感じは日本ならではだと思う

そしてこの季節になると思い出すこと

お店、予約しとかなきゃ

スケジュール帳を開いて、予定が入っていないのを確認して電話を掛ける

あ「もしもし、7月7日に予約したいのですが」

あ「できれば、窓のそばの席にしていただけますか？」

1ヶ月以上先のその日の予約はきっとまだ入っていないだろう

毎年、同じ日に同じお店に予約いれてるんだもん

それくらいわかる

でも、今年は何かが違った

いつもなら『かしこまりました』ってすぐに返ってくるはずなのに…

『…あぁ、申し訳ありません、その日はフロアが貸しきりの予約が入っておりまして』

あ「え、」

初めてだ、こんな事

思いがけない店員さんの返しで私は返す言葉を失ってしまった

『あの、フロアは貸し切りなんですが、奥の個室の方でしたら数部屋ございますのでそちらでのご予約はいかがでしょうか』

奥の個室か

確かに毎年行くから存在は知ってはいる。

それに加えて、私みたいな一般人が入れるような場所ではないことも知っている。

あそこはいわゆるVIP部屋よね

でも今までせっかく毎年通って来たのにここで足を途絶えさせる訳にはいかない

やっぱりいつもと違う席でもいい

そこにその場所に行くことに意味がある気がしてそのまま店員さんの勧め通りに予約をした

やっぱり、VIP部屋だしちゃんとした格好していこう。

スケジュール帳の7月7日の欄に予定を書き込み、そのまま寝る支度をする。

何着ていこう、
そんなちゃんとした洋服持ってないなぁ。

今度買いにいこうかな

考え事をしていると、あっという間に眠りについた