白いアイリス SS 【 江口拓也 】

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二月になってしまった。

彼女に好きだと伝えてからすでに二ヶ月を経過している。何度か詰めたりしてみたけれど、彼女からの言葉はまだない。もう気持ちには気付いてるだけに我慢が効かなくなっている気がしている。

ただ、彼女に、待ってるから。と伝えてしまった分、待つことしか出来ないのだ。

けれど、そろそろ本当に待てないかもしれない。



今日は先輩に飲みに連れてきてもらっていた。先輩によりけりだが、仕事の話を主にする人もいれば、女の子の話ばかりする人、どうでもいい日常会話が楽しい人など様々だ。
今日は何故か女の子の話が多く、核心的な話はしないものの、とても盛り上がっていた。

流れでそのままガールズバーに連れて行かれ、複数の女の子と喋り、先輩を送り届けて一人になったとき、意外にも自分がかなり呑んでいたことに気付く。



(あぁ、会いてぇー…)


他の女の子と喋ると余計に彼女に会いたくなる。

もう完全に心は、彼女がしがみついて離してくれないのだ。



声、聞きてーな…


スマホを取り出して彼女へ一言、『会いたい。』と文字を打つ。送信ボタンを押そうとするが、もう夜も遅いしな、と思いつつそのままポケットへしまった。



あぁ、やばい。
好きだ。

日に日に彼女への想いが強くなっている気がする。


なんか、余裕ねーな俺。

今日はなんだか歩きたい気分になり、ふらふらと歩きながら自分の家を目指した。



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