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彼女は思ったよりもお酒が強かった。何となくいろんな種類のブランデーを二人で頼み始めて、ブランデーだけでも何杯頼んだんだろう。少し顔が赤くなっているけど、全然フラフラしてない彼女を見て、これはなかなかイケる口。と心の中で呟いた。


次はまた違う種類のブランデーを出してもらうと、トイレから戻ってきた彼女はそれを見て空いていた隣の席に座った。


「それはどんな味ですか?」

ふわりと近付いてきた彼女。さっきまでのガチガチの壁は何だったのかと思うほど柔らかな微笑みを見せる。


……この子、めちゃくちゃ隙あるな。
さすがにちょっと酔っ払っているのだろうか。


「これはさっきよりちょっとだけピリっとしてる。飲んでみる?」
「いいんですか?」

そう言って彼女はまた少しだけ、口をつけて飲んだ。


「へぇ〜。結構味が違う。今日ブランデー開拓日だ。」

なんて言いながらブランデーを見つめている。


「Aがブランデー飲んだことないのが意外だったよ。女の子に結構人気だと思うよ!」
「そうなんだ。」
「でも拓也さんも今日ブランデー縛りなの珍しいですね。」
「今日はそういう気分。」


カランとブランデーが入ったグラスから鳴る氷の音が心地良い。




「拓也さんは普段何飲んでるんですか?」


りょうくんを真似しているのか、彼女は普通に名前を呼んできた。

「その店にあったもの。こういうバーではウイスキーとかブランデーとか、ハイボールもよく飲むかなー。」
「拓也さんってお酒強いですよね。」
「まあ、そうかな」
「ベロベロになったことあります?」
「あるよそりゃ。」


え、見てみたい。なんて彼女がふふっと軽く笑う。


「たまにお見かけしてたけど、静かに飲んでるイメージ。」
「あはは、基本静かだから俺。隅っこで飲んでるの好きなの。」
「私も隅っこで飲むの好き。」


パッと逸らされていた目も、今はしっかり目が合っている。最初の印象とは違って、かなり人当たりが良い。


確かに常連のおじちゃんたちは彼女のことをすごく気入ってる人が多かったことを思い出した。最近見かけるようになったと思ってたけど、いつの間にか彼女に声をかける人が増えている。少し喋ると心開くタイプか。



「りょうちゃん〜おつまみ欲しい〜ナッツ欲しい〜」

と気を許した彼女がりょうくんに声をかける。


フッ、お母さんにご飯をねだる子どもか。と心の中で突っ込んでしまった。



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にくまん(プロフ) - eriiiさん» 楽しみにしてくださっててとても嬉しいです。しばらく彼視点を更新していきますのでごゆるりとお楽しみくださいませ。 (11月25日 13時) (レス) @page25 id: 07d191a8ef (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - この展開!!本編でめちゃくちゃ気になってました!彼視点楽しみです🥰 (11月24日 19時) (レス) @page23 id: 8d69bf7036 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にくまん | 作成日時:2023年11月2日 20時

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